『サクラ大戦~alleluia~』8:第三章「それぞれの想い」

サクラ大戦~alleluia~
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-墓地-
 
花火は何かあるといつもここに来る。
今日もまた、フィリップの墓前にて祈りを捧げていた。
 
 
花火「ねぇフィリップ…。…エリカさんは…きっと戻ってきますよね?…あの時私は、エリカさんに何もしてあげられませんでした…。…コクリコが言っていたんです。『こんな時大神さんならどうするんだろう』って…。…私…ずっと考えてました。………きっと大神さんは…仲間を信じる…信じ続ける……。そうすれば必ず、相手も応えてくれるから…。…だから私も信じます。エリカさんも…グリシーヌも…」
 
 
 
-サーカス-
 
夜…コクリコは一人、遠くの星空を見上げていた。
 
コクリコ「……ボク、みんなに会えてよかったよ…みんなに色んな事教えてもらった。もうみんなと離れたくない…。だからボク、みんなを信じる。…ずっと笑っていたいから!…ボク、絶対自分に負けないから……だから…見ててね…ママ……イチロー……」
 
 
 
-バー-
 
レナード「へっ、珍しいな。あんたが全然酒に口つけねぇとは」
 
ロベリア「うるさいよ。少し考え事してただけさ…」
 
もう1時間は居座っているはずだが、目の前にあるグラス一杯の酒にロベリアはまだ一度も口をつけていなかった。
 
レナード「ほぅ、そいつはすまねぇな」
 
くわえ煙草で答える。
 
ロベリア「…いいさ別に…」
 
ロベリアはグラスを手に取ると、一気に飲み干した。
 
 
 
-教会-
 
針はもう深夜の1時を指していた。エリカはずっと聖像の前にいる。
 
 
レノ「エリカさん、まだここにいたのですか?」
 
エリカ「あっ、神父さま…。…はい。もう少しだけ…いさせて下さい…」
 
レノ「それは構いませんが…。…何かあったのですか?」
 
エリカ「……。…私って、なんでこんなにダメなんでしょうか…。好きな人にやっと認めてもらえて、その人が自分のいるべき場所に帰った今…私がしっかりしなきゃいけないのに…。…私はみんなが大好きです……でも…私のせいで…みんなが……」
 
レノ「エリカさん……」
 
エリカ「わかっています……私がどんな失敗をしても、必ずみんなは許してくれる……。でも…でもそれじゃあ……」
 
レノ「……私は…あなたを誇りに思います。あなたのその優しさと…、何度失敗をしても、周りを温かな気持ちにしてくれる明るさに……皆さんは何度も助けられたはずです。私も助けられました。あなたの愛する人も、きっと助けられたはずです」
 
エリカ「……神父……さま……」
 
レノ「エリカさん、あなたは決して弱くはありません。仲間を信頼し、何事にも屈しない純粋な心をもった強い方です。仲間を信じてください。…愛する人を…ずっと想っていてください。そうすれば必ず…道は開けます」
 
エリカ「…神父さま……私……私……」
 
レノは、顔を手で覆っているエリカの肩にそっと手を置き、優しく微笑んだ…。
 
 
 
 
 
 
 
 
次回

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