花火「うぅっ…」
コクリコ「痛いよぉっ…」
カルマールの猛攻により、巴里華撃団の戦況は劣勢になり始めていた。
エリカ「い…今、回復します…この地に使わされし加護の天使よ……光…あれ……グラース・オ・スィエル!!」
天空から光の柱が彼女達へ降り注ぐ。
コクリコ「…ふぅっ、助かったよ!」
花火「えぇ、心が洗われるようですわ」
コクリコ「でも怨念が形作ったゾンビなんでしょ…どうやって倒そうか…?」
花火「わかりません…どうしましょう…」
エリカ「……。…心が洗われる……怨念が形作った……。…はっ!!見付けました!カルマールを倒す方法をっ!!」
コクリコ「えっ!!」
花火「エリカさん!それは本当ですか!?」
エリカ「はいっ!ただ…普段よりもほんの少しだけ、詠唱に時間が必要なんです……」
コクリコ「それなら、ボク達が時間を稼ぐよ!!」
花火「はい。私達に任せてください」
エリカ「…わかりました!!二人共、どうぞご無事で!!」
そう言うとエリカ機は少し後方に下がり、すぐさま詠唱を始めた。
カルマール「余を倒す方法だと??そんなモノあるわけなかろう!!余は不死身だ!ぬはははは!!」
コクリコ機、花火機をサンフォニーの触手が薙ぎ払う。
花火「あぁっ!!」
コクリコ「うわっ!!」
カルマール「フン…貴様達はよく自分を犠牲にしてまで仲間を信じられるな。いつ裏切られるかもわからんのに……哀れな…」
花火「あ…哀れなんかじゃありません!私は…絶対に仲間を信じます!!」
片膝をつきながらも花火機はボウガンを連射した。
コクリコ「エリカは絶対に嘘はつかないんだ!!ボクも仲間を信じる!!マジーク・プティ・シャ!!」
ネコを象った霊力がカルマールを吹き飛ばす。
カルマール「くっ…小賢しい奴らめ!!そんなに死にたいのなら殺してやる……滅びよ!!シャティマン……」
エリカ「終わりです!カルマール!!」
カルマールを遮るかのように、高らかに声をあげた。
カルマール「……なっ!?躯が……!!」
エリカ「あなたを形作る怨念を癒し、浄化します!無に帰りなさい!!…数多なる奇跡の光よ……とどけ心に!サクレ・デ・リュミエール!!!」
エリカが十字架を天に掲げ祈りを捧げると、カルマールに聖なる光が真っ直ぐと差し込んだ。
カルマール「な…!?そ…んな……ぐっ…天海に…同じ手は通用せんぞ……ヤツは…悪そのものだ!!ぬは…ぬはははは…は……!!」
そう言い残し、カルマールは消滅した。
ロベリア「フィアンマ・ウンギア!!」
孔雀の背に焼けた爪跡が刻まれた。
ミロク「ちっ…ちょこまか動くんじゃないよ!!」
ミロク機が腕でロベリア機を薙ぎ倒す。
ロベリア「くっ……これだけ攻撃してんのに、なんともないってか……」
ミロク「もう遊びは終わりだ!消し飛びな!!」
するとミロクを中心に爆風が起こりロベリア機を襲う。
ロベリア「ちっ…こんなもんっ……!」
ミロク「もう終わりだよ…諦めるがよいっ!!」
ロベリア「…くそっ…ちくしょう……っ!!……悪いなグリシーヌ…。…アンタの仇…とれなかったよ……」
ロベリアが瞳を閉じて諦めかけたその時……。
「グロース・ヴァーグ!!」
突然ロベリアの目の前に青い光球が現れ、次の瞬間大波が爆風を貫いた。
ミロク「なにっ!?」
ロベリア「……っ?!」
「奴に一人で挑むとは…。無茶をするでない、ロベリア」
ロベリア「…っ!?…フン……余計なマネすんじゃないよ。お姫様っ」
ロベリアは瞳を閉じて呟いた。
グリシーヌ「…待たせたな」
グリシーヌもまた爽やかな笑みを浮かべた。
ミロク「…フフフ…来たか。しかしゴミが一人増えようと所詮はゴミ…。葬り去ってくれる!!」
ミロクは銃で二人に狙いを定めた。
グリシーヌ「…貴様……このグリシーヌ・ブルーメールを侮辱した事…あの世で後悔させてやる!!いくぞロベリア!!」
ロベリア「やれやれ…いちいち叫ぶなよ」
今さっきまで嫌という程叫んでいたロベリアは、自分の事を完全に棚に上げた。
グリシーヌ「グリシーヌの名にかけて、この戦斧のサビにしてくれる!!」
グリシーヌは戦斧を振りかざす。
ミロク「何をしても無駄だと何度……」
ロベリア「こっちだよ」
ミロク「なっ…!?!ぐぅぅぅっ!!」
グリシーヌに気をとられていたミロクの背後に回り込み、再びロベリアが切り刻んだ。
ミロク「フフフフ……調子に乗りおって……」
ミロクはロベリア達から離れ、天に両手を広げた。
ミロク「天海様…。…我に力を!はあぁぁぁぁぁああ!!!」
突然暗雲が立ち込め、孔雀を落雷が襲う。
グリシーヌ「っ!?」
ロベリア「ったく…今度は何だよ…!?」
ミロク「…消え去れ!!雷破っ!!!」
そして落雷したそれを、一気に全身から放電した。
ロベリア「…フッ…。…やるかい?」
グリシーヌ「当然だ。私は奴を……絶対に許さぬ!」
ロベリア「…同感だ」
するとロベリアとグリシーヌの機体を、それぞれ緑、青の光が覆った。
ロベリア「地獄より来たれ、災いの塔……」
グリシーヌ「荒ぶる海の守護者よ、今こそ……」
ロベリア「朽ち果てろっ!デモン・ファルチェ!!」
グリシーヌ「目を覚ませ!フュリー・ネプチューン!!」
すると二人の目前に死神と海神が現れ、やがて黒と青の光球となり一直線にミロクに向かって行った。
ミロク「フフ…我に挑むか…よかろう。勝負!!」
混じりあった黒青の光球と雷破がぶつかり合う。
ロベリア「ちっ…なんて力だ…。」
前に手を翳しながら言った。
ミロク「ほらほらどうした?わらわを許せぬのではなかったのか??」
グリシーヌ「くっ…!!」
ミロク「フフフ……これまでだ!!」
まさにミロクが押し切ろうとしていた。
グリシーヌ「ぐぐ…ここで我らが負けてしまえば、巴里の民が…」
ロベリア「フッ…重いモン背負っちまったよ……ったく…」
2人の戦士は、一歩、また一歩と、前に押し込むように踏み出していく。
グリシーヌ「こんな所で…負けるわけにはいかぬのだ!!」
ロベリア「やれやれ…。…終わらせるよっ!!」
「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
ミロク「なっ、何故だっ!?どこにこんな力が!!きゃぁぁぁぁぁぁ…!!」
ロベリア、グリシーヌの光球は孔雀を貫き、爆発とともに空へ消えていった。
次回
『サクラ大戦~alleluia~』11:第四章「信じる強さ」
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