エリカ「これでよしっ……っと…」
天海達との戦いから二日後。エリカ達は当初予定していた通り、グラン・マ(迫水つき)へ日頃の感謝を込め手づくりカレーをご馳走する事にしたのだ。
コクリコ「うん!あとはグラン・マと迫水のおじさんを呼んでくるだけだね!」
エリカ「あっ、じゃあ私呼んできますよ!!」
タッタッタッタッ…
グリシーヌ「ならば、ドアには気をつけるのだ……」
-ゴンッ!-
花火「少し…遅かったみたいね…」
エリカ「…いったぁぁーーーい!!!うぐっ……ドアさんがいぢめたぁーーー!!」
ロベリア「…結局、何も変わらず仕舞いか」
コクリコ「まぁ、それがエリカのいいトコなんだけどね」
~そして~
エリカ「…さぁさぁ!こっちですよ!はやくはやく!!」
グラン・マ「はいはい…。?!おやおや…どうしたんだい、こんなに派手に飾り付けなんかして…」
グリシーヌ「グラン・マ、いつも迷惑ばかり掛けてすまぬな。感謝しているぞ」
ロベリア「残りの刑期帳消しにしてくれたら、もっと感謝するけどね」
花火「ちょっ、ロベリアさんっ!…グラン・マ、私達をいつも見守っていてくれて、本当に有難う御座います」
コクリコ「あっ!迫水のおじさんもだよ!!いつもボク達の面倒見てくれてありがとね!!」
グラン・マ「お前達……」
迫水「本当にいい子達ばかりだね、シャノワールは」
エリカ「はいはいはーい!!これからも、たっくさん迷惑掛けちゃいますけど、宜しくお願いしますね!!」
グラン・マ「なに宣言してるんだい。ほらほら、せっかくのカレーが冷めちゃうよ。早く食べようじゃないか」
コクリコ「うんっ!!じゃあ二人共、座って座って!!」
エリカ「コホン。え~、それでは皆さんご一緒に!いっただっきま~す!!」
皆の顔は綻んでいた。
エリカ「でも、ロベリアさんがカレー作るの上手なんてビックリしましたよ!!」
シー「意外ですよねぇ~」
メル「こらシー!そういう事言わないの!」
グリシーヌ「まぁ、人間誰しも一つは特技があるものだからな」
ロベリア「ちっ…いちいちうるさいんだよ!」
エリカ「それに聞きましたよ、ロベリアさん!天海の攻撃で私が気を失ってしまったとき…ロベリアさんは『ちくしょ〜!』って言いいながら、立ち向かって行ってくれたんですよね?!私なんかのために……。エリカ感激ですっ!……むぎゅっ」
ロベリア「あぁもぅうるせぇな!!いちいちくっつくなよ!!」
シー「そうですよぉ!ロベリアさんはなんだかんだで、エリカさんのことが大好きなんですからっ!ヒューヒュー♪」
グリシーヌ「照れるでないぞロベリア。気持ちは素直に表すべきだ」
ロベリア「だからうるせぇっての!!お前、そろそろ助けないとまた酒飲ませるぞ」
グリシーヌ「うっ…」
コクリコ「あははは!!…あ~あ…イチローも一緒にお祝いできたらいいのになぁ~」
花火「今度、皆で一緒に帝都に遊びに行きましょう?その時にまた、カレーを作って差し上げれば良いのではないでしょうか??」
グリシーヌ「それは良い考えだな。前回の戦いの事も聞けるしな」
エリカ「…あの~…」
コクリコ「ん?どうしたのエリカ?」
エリカ「はい…。私、あれからずっと考えてたんです。大神さんが来てくれたのは……私達が神に、心から大神さんの助けを願ったから……神が奇跡を起こしてくれたのではないでしょうか…?」
ロベリア「そんな夢みたいな話あるわけないだろ。大体、アタシは神なんか信じちゃいないよ」
グリシーヌ「いや…しかし、皆の願いで心と霊力が一つになり、奇跡が起きたのかもしれないな…」
花火「きっとそうですよ…。信じる心は、奇跡をも起こします」
コクリコ「絶対そうだよ!!イチローもボク達を信じてくれてるはずだし!!」
ロベリア「……奇跡…ね……」
エリカ「私は奇跡だって信じてます。そして…その奇跡を、私達シスターの間ではこう呼ぶんです…」
コクリコ「えっ!?なになにっ??」
エリカ「それは……」
花火「それは……?」
エリカ「…ヒミツですっ!!さぁ!今日はおもいっきり楽しみましょうね!!」
エリカはスクッと立ち上がった。
グリシーヌ「なななっ!!教えろ!!言わなければ斬るっ!!!」
コクリコ「気になるよぉ~!!教えてっ!!」
グリシーヌは斧まで構え、コクリコと共に逃げるエリカを追い掛ける。
エリカ「ヒミツでー…《ゴンッ》…いったぁーーーい!!!!またやっちゃいました……ぐすん」
花火「…ふふ……。…こういう時間を…きっと幸せと呼ぶのですね…」
ロベリア「やれやれ…。まぁアタシも……悪くはないよ」
この後、巴里華撃団は帝都に戦地を移す事となる。
だがたとえ何処に戦地が移ろうとも、巴里華撃団がいる限り、巴里はいつまでも温かな花の都で在り続けるだろう…。
…奇跡…
…それは『幸せ』へと姿を変えるもの…
…そしてそれは『起きる』ものではなく『起こす』もの…
…愛する人を護るために…
…仲間と創る未来のために…
…信じる心が、巴里に奇跡をもたらした…
…それでは最後に…
あなたに幸あれ…
-ハレルヤ-
『サクラ大戦~alleluia~』-完-
一話まとめ
・サクラ大戦~alleluia~
・サクラ大戦~夢の通い路~
・サッカー大戦~蹴れ!高速の蹴球華撃団!~
・『サクラ大戦〜短編集〜』:『温泉パニック』
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