大神「…くっ…ぐぐぐ…!!!!!」
さくら「…うぅっ……」
二人はもはや押し切られる寸前であった。
ロベリア「…ちょっと…ヤバイかもな…」
カンナ「…くそっ!!!」
カンナは拳を地面に叩き付ける。
しかしカンナだけではない。その場にいる誰もが、自分への憤りを強く感じていた。
グリシーヌ「…くっ……やはり勝てぬのか…!!」
アイリス「…負けないもん……」
マリア「…アイリス……」
アイリス「…お兄ちゃんもさくらも…負けないもんっ!!勝つもんっ!!絶対に勝つもんっ!!!」
するとアイリスの身体が黄色に輝き、その光は霊剣荒鷹へと昇華されていった。
グリシーヌ「っ!?これは…!!」
マリア「…あれは霊力…。……霊力が……繋がった……!!」
ロベリア「フン…そうかい…。…なら、アタシの霊力なんか喜んでくれてやるよっ!!…受け取りなっ!!!」
アイリス同様、ロベリアの身体を緑色の光が覆う。
カンナ「…へへっ…そうだよな…。…あたい達が諦めちまったら終わりだもんな…!!」
カンナの身体が真紅に輝き、それに続くように皆が霊力を荒鷹へと昇華させていった。
大神「くっ…くそっ…!!………なっ!!」
さくら「…力が…!!」
大神「…皆が……皆が霊力を送ってくれているんだ!!」
『…ナンダ…!?急ニ力ガ…。シカシ…コノ程度デハマダマダ……!!!』
『加山「大神ぃ!!!!」』
大神「…っ!?加山っ!!」
『加山「大神、お前はそんな所で負けるような男じゃない。…さくらさんを守るんだろ?!ならもっと気合い入れろっ!!!」』
『紅蘭「大神はん、ウチらはずっと待ってるさかい、早よ皆で帰って来てな!!」』
『織姫「まったく…何度ビンタしたと思ってるでーすか!!とっとと終わらせて、早く目を覚ましてくださーい!!」』
『コクリコ「イチロー!!ボク達も待ってるからね!ファイトっ!!」』
『すみれ「…はぁ…。…久しぶりに遊びに来たと思ったらこれですわ…。ほら、ぱっぱと終わらせてくださいな!!」』
『花火「絶対に…帰って来て下さいね…。絶対に…絶対に……。……ぽっ…」』
『レニ「…隊長…。…隊長には、ボク達皆が付いている…」』
『かえで「帝都も巴里も…大神くん達のことを待っているからね…」』
『米田「負けたりしたら承知しねぇぞ!!わかったな大神っ!!!」』
『あやめ「どんなときでも皆はあなたの傍にいるから……大神くんならきっと大丈夫。だから……絶対に負けないで!!」』
大神「……みんなっ…!!」
さくら「…大神さん…?」
大神「…聞こえるんだ…。…みんなの声が……みんなの想いが…聞こえるんだ!!!」
すると何処からか紫や桃色の輝きが降り注ぎ、全てが荒鷹の光へと混じり合っていく。
マリア「っ!?あの…光は…!!」
カンナ「…きっとすみれ達だ…。あいつらも、あたい達の帰りを待ってるんだよ…!!」
アイリス「ふふっ…なんだか…パズルみたいだね」
七瀬「…パズル?」
アイリス「うん…。花組は誰が欠けてもダメで…。みんなの『想いのカケラ』が集まって、一つになると完成するの!」
七瀬「…想いのカケラ……か…」
ロベリア「…それでも…まだ足りないか…。…ちっ!!エリカ!!起きろ!エリカっ!!あとはお前だけなんだよっ!!」
先程から動く気配のないエリカに、何度も何度も声を掛ける。
ロベリア「お前は隊長の事が好きだったんだろ!?だったら見てろ!!アイツが戦ってるとこをしっかり見てろ!!目を…開けやがれっ!!!」
エリカ「……大…神…さん……」
ロベリア「…っ!!……呼んでやりな……。…でかい声でアイツの名前を呼んでやりな!!!」
ロベリアの目尻が微かに…本当に微かに潤んだ。
エリカ「……大神…さん…。…大神さんっ!!」
身体が言う事を聞かないのだろう…声を出すのがとても辛そうであった。
ロベリア「…頑張れ……頑張れエリカっ!!」
エリカ「…大神さぁーーーーーん!!!!!!!!」
そしてエリカの身体からも真紅の光が昇華していく。
全ての光が希望の剣に集約された。
大神「…っ!!エリカくんっ!!!…あぁ!!俺は負けない!!!皆の心が繋がる限り……俺は負けないっ!!!いくぞ、さくらくんっ!!」
さくら「はいっ!!」
二人は腕に力を込めた。
『ナンダッ!?ナンナノダコノ力ハ!!…何故ダッ!!何ナノダッ!!!!』
霊剣荒鷹に集束されていった霊力が…皆の想いのカケラが…一つに激しく混じり合い、七色の光へと変化していく。
大神「…これで終わりだ!!桜樹!!!!」
「「…はぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」」
『ッ!?何故ダっ!!!グァァァァァァァァァァ!!!!!………ァァ……ァ…………』
大神「仲間がいる限り…俺達は負けない!!!」
そして花組の想いを込めた七色の輝きは、桜樹の妖力を完全に押し切った。
…そう…大地を駆ける虹のように……
次回
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