『サクラ大戦~夢の通い路~』21:最終章「サクラ散る」

サクラ大戦~夢の通い路~
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~夢桜~

-上野公園-

七瀬「…っ!!!!」

突然『桜樹』から桜色の輝きが放たれた。

カンナ「……へへっ…」

グリシーヌ「まったく…心配をかけよって…」

そして輝きが消えると、皆の前には馴染み深い男女が月夜に照らされていた。

マリア「二人共…よかった…」

大神「…ただいま」

大神はニコッと微笑む。

さくら「皆さん…心配かけてごめんなさい…」

しかし隣に並ぶ大神とは裏腹に、さくらはただただ俯いていた。

カンナ「なぁ~に湿っぽい事言ってんだよ!!」

マリア「私達の声…届いたでしょ?」

さくら「はい…。心の奥に、しっかり響きました…」

大神「みんな、本当にありがとう。…七瀬くん、腕はもう大丈夫なのかい??」

七瀬「…えへっ♪はい!お二人のおかげで、もうこのとーり…」

ぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶん…!!!!!

大神「そっ…そんなに勢いよく回さなくても…」

アイリス「わぁ~いっ♪」

アイリスは『とてとて』と二人の元へ走っていく。

アイリス「アイリスね、二人の事信じてたんだよ♪お兄ちゃんも…さくらも…絶対戻って来るって…」

アイリスの瞳に、今まで堪えてきた涙が溢れ出した。

アイリス「…ぐすっ……泣きたくなっても…我慢して……ずっとずっと待ってたんだよっ!!」

さくら「アイリス…。……ありがとう…」

そう言って綺麗な金髪をそっと撫でる。

ロベリア「…エリカ、今日はいつもみたいに隊長に抱き着かないのか??」

エリカ「えっ?!……はい…」

ロベリア「……そっか…」

ロベリアはエリカの頭を『ぽんぽん』と優しく叩いた。

カンナ「…それにしても、随分とボロボロになっちまったなぁ、この桜樹も…。死んじまったのかね…?」

カンナがなんの警戒もなく、桜樹へと歩み寄る。

『………残念ダッタナッ!!!!』

七瀬「っ!?ダメっ!!離れて!!!」

カンナ「なっ!?…うわぁぁぁぁあぁぁ!!!!」

桜樹から放たれた漆黒の光により、カンナは遥か後方へと吹き飛ばされた。

大神「…っ!?カンナっ!!」

『…私ガ甘カッタ…。…モウ許サン!貴様等全員皆殺シダッ!!!』

すると桜樹は漆黒の球体に包まれていく。

『…グ…アァァァァァァア!!!!!』

マリア「一体何だって言うの!?」

アイリス「…アイリス…怖いよ……」

さくら「…大神さん……あたし…とても嫌な予感が……」

大神「…あぁ…俺もだよ…」

『……ガァァァァァァァァァッ!!!!』

グリシーヌ「…大地が…揺れている…!!!」

『ッ!!!!!!……。……ハァァァ……』

…輝きは消えた。しかしそれと同時に、皆は自分の目を何度も疑った。

七瀬「…そんな……」

エリカ「…あ……あぁ…」

ロベリア「ったく…。…エンディングはまだおあずけか…」

カンナ「…あいたたぁ…。…ん?…って!!……ありゃ降魔じゃねぇか…!!」

大神「…桜樹が…降魔に…」

『殺シテヤル…貴様等全員殺シテヤル!!!』

カンナ「…なんてこった…。…あたい達が倒した降魔と……ケタが違う!!」

マリア「くっ…!!!」

さくら「…こんな…事って…!!」

『ククク…。私ヲ敵ニマワシタコト…後悔スルガイイッ!!!』

ーーーっ!!!

さくら「…っ!?きゃぁぁぁあぁぁぁぁぁあっ!!!」

叫び声と同時に、さくらはその場へ崩れ落ちた。

大神「っ!?さくらくんっ!!!」

ロベリア「…なんだ…何をしたっ!?…何も…見えなかった……」

『大神…貴様ニ、先程味ワイ損ネタ感情ヲ、モウ一度与エテヤルヨ…』

大神「…なんだとっ!?」

『……絶望ダッ!!!!』

大神「…っ!!!」

次の瞬間、辺りは闇に覆われた。

……絶望という名の闇に……。

 

 

次回

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