-上野公園-
大神「…この桜樹に…さくらくんが…??」
大神・七瀬達は、問題の桜の樹を見上げていた。真宮寺さくらを助け出すために。
カンナ「本当にこんなとこにいるのかよ?ただの桜じゃねぇか。」
腰に手をあて、はぁとため息をついた。
七瀬「すみません…。私も、さくらさんがここにいるって事しか知らなくて……どうすれば出てくるとか、どうすれば中に入れるとかまでは……」
ロベリア「おいおい頼むぜ桜の精さんよ」
マリア「まぁいいじゃないの。ここにさくらがいるってわかっただけでも良しとしましょう?」
アイリス「でも急がなきゃいけないんでしょ!?」
マリア「えぇ…困ったわね…。……っ!?皆!伏せてっ!!」
エリカ「えっ!?どうしたんですか?………って、きゃぁぁぁぁあ!!!」
突然大神達の間を、突風と共に黒く巨大な生物が過ぎ去った。
大神「っ!?こいつは……降魔っ!!」
エリカ「『子馬』??子馬さんって飛べるんですかっ!?」
グリシーヌ「其方は少し黙っていろっ!…しかし何なのだ!あ奴は!!」
ロベリア「まっ、悪者には間違いなさそうだけどね」
ギシャァァァァァ!!
降魔は雄叫びを上げると、一直線にアイリスへと向かって行く。
アイリス「っ!?…いゃ…来ないで……」
大神「くっ…アイリス!!」
キィンッ!!
間一髪の所で大神がアイリスの眼前に現れ、腰に掛けていた『霊剣荒鷹』で降魔の攻撃を防いだ。
マリア「隊長っ!!あぁぁぁ!リディニーク!!!」
ギィァァァァ…ァ…
マリアの弾丸が見事に降魔に命中し、降魔は消滅した。
七瀬「(さすがだわ…。銃を放つ瞬間、爆発的に霊力が増大した…。…私の目に狂いはなかった…!)」
アイリス「…ありがとうお兄ちゃん、マリア」
大神「いや、いいんだ。……それより…」
七瀬「(でも…降魔が召喚されているなんて…。まさか…もう『夢桜』の統一は最終段階に……!?)」
『…見事デアッタ……』
グリシーヌ「っ!?誰だっ!?」
皆の頭の中に何者かが語りかけてきた。
『誰ダトハ心外ダナ…。今オ前達ノ前ニイルデハナイカ……イヤ、立ッテイルト言ッタ方ガ正シイカ……。』
ロベリア「はぁ?何言ってんだこいつは?」
七瀬「…やっぱり貴方だったのね」
カンナ「やっぱりって…どういう事だよ?」
七瀬「こいつはこの桜の樹…。…私と同じ『桜の精』です」
カンナ「にゃ、にゃんだとぉっ!?」
ロベリア「フン…じゃあこの樹を燃やしちまえばいいじゃないか」
そう言うとロベリアは右手に炎を燈した。
『フッ…ヤメテオケ。私ヲ燃ヤセバ、中ニイル《真宮寺さくら》トヤラモ燃エテシマウゾ…??』
ロベリア「ちっ…」
『夢桜ノ統一ハ、モウ最終段階ニハイッテイル。…シカシ私ハ慈悲深イ…。貴様達ニ最後ノチャンスヲヤロウ』
エリカ「あれ?意外と優しいんですねぇ~。悪者なのに」
カンナ「ナメられてんだよっ!!」
『二日後…満月ノ夜ニ、私ハ全テヲ実行シ、開放スル…。…止メテミヨ。真宮寺さくらヲ助ケダシ、夢桜ノ統一ヲ止メテミヨ!!!』
カンナ「へっ…上等だ。…首洗って待ってやがれ!!」
エリカ「でも、桜樹だから首無いですよっ!?」
カンナ「あぁもう!いちいちうるせぇなっ!!」
マリア「とっ、とにかく!……私達が行くまで、さくらには手を出さないで。もし出したら……」
マリアは一瞬瞳を閉じる。
『モシ出シタラ?』
マリア「…私はお前を許さない」
クワッサリーと呼ばれた頃を彷彿とさせるような鋭い眼光で『桜樹』を睨んだ。
『フン…イイ眼ダ…』
七瀬「…何が貴方を変えてしまったのかは知らない…。でも貴方のしている事は間違いなく『悪』よっ!!」
『……私ガ悪ナノデハナイ…貴様ガ無知ナノダ!!!』
大神「待っていろ…。俺は必ず…さくらくんを助け出してみせるっ!!」
『…フッ…楽シミニシテイルゾ…大神一郎…。……マタ会オウ…』
そして声は途切れた。
アイリス「……アイリス怖いよ…。」
グリシーヌ「…大丈夫だ。私達仲間がついている……そうであろう?」
グリシーヌがアイリスの頭を優しく撫でる。
アイリス「うん…」
大神「七瀬くん。君は『桜樹』と知り合いのようだったけど…。よかったら話を聞かせてくれないか?」
七瀬「…もちろんです。たっぷり聞かせちゃいますよ♪」
少し堅い笑顔は、どこか曇っていた。
次回
『サクラ大戦~夢の通い路~』5:第三章「桜樹」
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