~前半・ロスタイム~
かえで「…マリア!任せたわよ!!」
マリア「了解っ!!」
チーム帝都のキャプテン、マリアにボールが渡った。
グリシーヌ「くっ……ミキ!なんとしてでも止めるのだ!!」
ミキ「そそそそんな事言ったって…」
ロベリア「…アンタだけは通さないよ」
あたふたしているミキを後ろへ押し退け、ロベリアがマリアの前に立ち塞がった。
マリア「フフッ…」
マリアは軽く微笑むと、ロベリアに応えるように少し腰を落とす。
ロベリア「(さぁどこを抜ける…?右か…左か…中か…)」
マリア「…いくわよ?」
ロベリア「…来な」
すると、マリアが素早く身体を左に傾ける。
ロベリア「(フェイント……!!)もらったぁ!!」
ロベリアが身体を左に切り返す。
マリア「フフ…サッカーはチームプレイなのよ?」
ロベリア「なんだとっ!?……っ!?!」
マリアは右足を前方に軽く振り、眉一つ動かさずヒールで真後ろに蹴り出した。
ロベリア「バックパス……っ!?しまった!!」
ロベリアが気付いた時には、もう眼前にマリアの姿はなかった。
かえで「さすがマリアね……決めてらっしゃい!!」
マリアの後ろを走り込みバックパスを受け取ったかえでが、再び前に大きく蹴り出す。
ロベリア「マリアは……!なにっ!?」
かえでの蹴ったボールの着地点…オフサイドラインすれすれの所までマリアは走り込んでいた。
マリア「あぁぁぁぁぁぁ!!ショットっ!!!」
バシュゥゥ!!!
ピピーーッ!!
グラン・マ「…あ…あの体勢からボレーだって…!?冗談じゃないよ…なんて身体能力だぃ…?」
マリアは後方から曲線を描いて上がってきたボールを、さらに加速させるかのように薙ぎ払うボレーでゴールネットを揺らした。
ピッピーー!!
大神「ここで前半終了。5分間のハーフタイムだ!!」
帝都の面々が一斉にマリアの元へ集まる。
カンナ「すげぇ…すげぇぜマリア!!」
紅蘭「さすがウチらのキャプテンや!!」
レニ「やったね、マリア」
マリア「皆…ありがとう。この調子で、後半も頑張るわよ!!!」
椿「はぁ…わたし…もう…ダメ…溶けちゃう……ぱたっ」
由里「あっ…あぁー!!椿が倒れた!!」
かえで「ちょっ、ちょっと椿!!しっかりなさい!!」
かえでが椿の体を軽く揺する。
椿「…マリア…さま……がくっ」
織姫「これは重症で~す!もうマリアさんがキスでもしない限り絶対起きませ~ん!!」
カンナ「白雪姫か?そりゃいいな!ほら、目覚めさせてやれよマリア!!」
マリア「ききき、キスっ!?ふっ、二人とも!!ふざけないで!!」
着ているユニフォームと見分けがつかない程赤面し、声が裏返った。
すみれ「でもホントにどうなさるのですか?1人欠員とは…かなり痛いですわよ??」
アイリス「お兄ちゃんは男だし…」
さくら「巴里に来ている帝都の女性といったら、あと……」
じーーーっ
-ベンチ-
かすみ「あの…気のせいでしょうか?なんか…皆さんにすごい見られているような……」
大神「何かを訴えているな…あの瞳は」
~後半開始直前~
ぶすっ
由里「ちょっ、ちょっとぉ~!ほら、もう少し笑って…」
ぶすっ
紅蘭「に、似合ってるでぇ~そのユニフォーム…」
ぶすっ
カンナ「そりゃまぁ怒るのも無理ねぇよなぁ~。結局後半まるまる出場だし」
かすみ「別に怒ってません!!…はぁ~…。……。はぁ~……」
かえで「ほら…肩の力抜いて、楽しく試合しましょう!ね!?」
かすみ「はい…頑張ります…」
太陽に映える色白の肌…指通りのしなやかそうな抹茶色の髪…。
大神「(…普段は着物姿しか見てないから、こうゆうスポーティーな格好もまた一段と彼女の魅力を引き立たたせる…。これは正に大和撫子…。やっぱり日本はいいなぁ…。)加山もそう思わな………ぃたたたた!!みみ耳みみ!!いたいって!!!」
何者かが大神の耳を突然おもいっきり引っ張った。
さくら「なにデレデレしてるんですか!!あたし達頑張ってるんですから、大神さんもしっかりして下さい!!!」
大神の耳元で、誰もが振り向く程の金切り声をあげた。
大神「ぃたた……な、なんで俺の考えてる事が…っ!?」
さくら「あたしにはなんでもお見通しです!!…ホントにもう知りま…せんっ!!」
さくらは抓る右手に、これでもかという程の力を込めた。
大神「うぎゃぁぁあぁぁぁぁぁーーー……!!」
加山「大神ぃ…お前ってヤツは…。お大事に…」
まもなく後半戦開始。
次回
『サッカー大戦~蹴れ!高速の蹴球華撃団!~』9:第9節『中盤戦…妄想はダメよ』
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