『サクラ大戦~alleluia~』2:第一章「花の巴里」

サクラ大戦~alleluia~
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『サクラ大戦~alleluia~』
 
 
 
…時は太正15年。大神中尉率いる巴里華撃団の活躍によって、街は再び平和を取り戻した。大神が帝都に帰った数日後の巴里から、物語は始まる…。
 
 
 
エリカ「…はぁ~……」
 
公演終了後の楽屋に、なんとも気の抜けた嘆きが響き渡る。
 
 
エリカ「…会いたいなぁ…。…大神さん、ときどき私の事思い出してくれてるかなぁ…。……はぁ……」
 
コクリコ「あ~ぁ、また始まったよ。イチローが帰ってから、ずっとあの調子だもんね。」
 
呆れ顔でマジカルハットを机に置いた。
 
花火「元気を出してくださいエリカさん…。…大神さんも、きっと私達の事を思い出してくれていますよ……ぽっ…」
 
ロベリア「けっ…。エリカ、お前は一応『巴里華撃団の副隊長』に選ばれたんだ。その副隊長が、魚の腐ったような眼をしてんじゃないよ」
 
グリシーヌ「同感だ。隊長が帝都に帰った今、エリカが私達を纏め上げなければならぬのだ…。それを理解しておるのか?!」
 
珍しくグリシーヌがロベリアに賛同している。
 
エリカ「ひ~ん、怒られちゃいましたぁ…。…わかってますよぅ…」
 
皆に責められ、エリカはいつものように頭を抱え泣きだした。
 
シー「まぁまぁ♪今日で公演は一段落した事ですし、楽しくいきましょー!!」
 
持ち前の明るさで場の空気を和らげるのは彼女の特技だ。
 
メル「あっ、エリカさん。そういえば先程グラン・マより、『落ち着いたら作戦指令室へ来てほしい』との伝言がありましたよ」
 
腕をシーに捕まれながらメルはかしこまった。
 
エリカ「作戦指令室に?わかりました。あとで行ってみます」
 
メル「はい、ちゃんとお伝えしましたよ。…それでは私達はまだ仕事が残っていますので、そろそろ失礼します」
 
コクリコ「えーもう行っちゃうの!?せっかく公演が一段落したんだから、みんなでお祝いでもしようよ!」
 
花火「まぁ…よい考えですわ。やりましょうよメルさん?」
 
シー「ですよねっ!一日くらい良いじゃないメル♪」
 
メル「フフ……そうですね。わかりました、みんなでお祝いしましょう」
 
シー「ヒューヒュー!そうこなくっちゃ♪そうと決まれば私はケーキを買ってきますぅ♪」
 
話がつくなりシーは走って部屋を出た。
 
メル「それでは私は、なにか食事を用意しますね」
 
花火「メルさん、私もご一緒いたします」
 
コクリコ「じゃボクは飾りつけしよっと!」
 
ロベリア「…ったく、勝手に話を進めやがって…。…酒でも調達してくるか…」
 
各自分担を決め部屋を出ていった。
 
エリカ「…はっ!神からのお告げです!……プリンですね?わかりましたっ!!それではエリカ・フォンティーヌ、行って参ります!!」
 
エリカも皆を追うように走り出す。
 
グリシーヌ「…っ!?エリカっ!」
エリカ「へっ?」
 
-ゴンッ-
 
 
エリカ「いったぁーい……ドアさんのばかーーーっ!!」
 
頭を抑え、泣きながらエリカは走り去った。
 
 
グリシーヌ「はぁ…、まったく……」
 
大きくため息をつくと、グリシーヌも部屋を後にした。
 
 
 
~1時間後~
 
 
「「かんぱーいっ!」」
 
皆久しぶりの休息に浸っていた。
 
グリシーヌ「ロベリア、其方も酒ばかり飲んでいないで、少しは料理を食さぬか!」
 
ロベリア「いちいちうるさい奴だねぇ…。アタシが何しようと、アタシの勝手だろ!?…それともなにか?グリシーヌお嬢様も酒が飲みたいのかい…?」
 
グリシーヌ「なっ…!私は…」
 
ロベリア「飲みたいんだろ?いいから飲めよ、ホラ…」
 
ロベリアは嫌がるグリシーヌに無理矢理酒を押しつけた。
 
グリシーヌ「くっ……仕方がないな……。ならば少しだけ……」
 
 
~30分後~
 
グリシーヌ「フ…フフフフ……ふははははは……!!たまにはハメを外すのも…良いものらな。らいたい、タレブーのやつはいちいちうるさぃのら……ヒック…。おぃ、もっと酒を頼む」
 
眼が完全に座っている。
 
ロベリア「お…おい……もうやめとけって……、アタシが悪かったからさ…」
 
メル「飲みすぎは体にも良くないですよ…?」
 
花火「そうよグリシーヌ、もうやめときなさ……」
 
グリシーヌ「うるはいっ!!!わたくしに命令…する…れ……ない………ぐぅ…」
 
ロベリア「あら、寝ちまったよ。…やれやれ…とんだお嬢様だな……」
 
疲れ切った表情で、ロベリアは再び酒を口にした。
 
 
 
 
次回

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