『ハッ…何ヲ言ウカト思エバ…』
大神「…さくらくんっ!!目を覚ますんだ!!さくらくん!!さくらくんっ!!」
先と同じようにさくらの身体を揺すり続ける。
『何度呼ンデモ無駄ダッ!!ソノ娘ハモウ物ヲ言ウコトハ…ナイ!!』
大神「俺は諦めないっ!!…あやめさんと…約束したんだ!!」
大神の頭を、過去の想い出が走馬灯のように過ぎっていく。
大神「さくらくん!!さくらくんっ!!」
(今まで一緒に何度も笑った!何度も泣いた!)
大神「さくらくんっ!!思い出すんだ!!俺達の…大切な…大切な記憶をっ!!」
(一緒に戦って、一緒に前を向いてきた…さくらくんがいたから…今まで俺は進んでこれたんだ!!)
大神「約束したじゃないかっ!!いつもふたりで…ずっと一緒にいようって!!」
『---』
大神「俺には君が必要なんだ!!思い出してくれ!!さくらくんっ!!!」
『無駄ダト言ウノガワカラナイノカッ!!…貴様モ生ケ贄ダ……貴様モヤガテハ全テヲ忘レテイクノダ!!!』
大神「俺は忘れない!!!!」
『…ッ!!』
大神「俺は絶対に忘れない!!花組の皆の事…帝都の事…巴里の事…あやめさんの事…!!…そして……」
すると突然、辺りが桜色に輝き出す。
大神「…さくらくんの事も、俺は絶対に忘れないっ!!!!」
『-----』
『…ッ!?ナンダッ!!!』
大神「かけがえのない喜びも、数えきれない後悔も、その全てが、俺達の生きてきた証なんだ!!その軌跡を、貴様なんかに消させはしないっ!!!」
そして直視できぬほどの目映い光が、一瞬さくらの身体を覆った。
大神「さくらくんっ!!」
さくら「……ぉ……み…さん……」
大神「さくらくんっ!!俺だ!大神だっ!!」
さくら「…ぉ…ぉ…がみ……さん……」
次第にさくらの顔に生気が戻っていく。
さくら「……大神…さん……!!」
彼女の頬を大粒の雫が伝っていった。
『ナッ、ナゼダ!!ナゼ目ヲ覚マシタッ!?!?』
大神「…さくらくん…俺が…俺がわかるのか!?」
さくら「……大神さん……大神さん!!大神さん!!大神さんっ!!!」
光は2人を抱きしめた。
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