『サクラ大戦~夢の通い路~』8:第四章「頑張ってください」

サクラ大戦~夢の通い路~
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大神「(さくらくんっ!助けに来たぞっ!!)」
 
さくら「(だ…誰ですか貴方…?)」
 
大神「(忘れたのかい?俺だっ!大神だよっ!!)」
 
『フフフ…何度尋ネテモ同ジ事ダ…。ソノ娘ニハモウ貴様ノ記憶ハナイ!!!』
 
大神「(そんな……そ…んな…。嘘だ……嘘だと言ってくれ!!!)」
 
『フハハハハ!!アハハハハハ!!!アーアーアーアー……』
 
七瀬「あ、あー、あー。あーあ~あーあ~あー」
 
あれから一晩が明け、皆各自ベッドで眠りについていた。
 
七瀬「…ーあ~。…発声練習終わりっと…。よしっ!…すぅ~~……」
 
風船のように大きく息を吸い込む。
 
七瀬「あ・さ・で・す・よぉーー!!!お・き・て・く・だ・さーーーいっ!!!!!!」
 
大神「わぁーーーーーっ!!!!……はぁ…はぁ……。どっ、どうしたんだい七瀬くん…?」
 
七瀬「おはようございます!お・お・が・み・さん♪」
 
大神の耳元で思う存分叫ぶと、満足そうに微笑んだ。
 
大神「あぁ…お、おはよう…」
 
七瀬「もうご飯できてますので、早く来て下さいね♪」
 
そう言うと七瀬は部屋を出て行った。
 
大神「……やっぱりエリカくんに似ているな…」
 
 
-居間-
 
カンナ「あっ!やっと来たぜ…。隊長、おはよーさん!」
 
大神「あ…あぁ…遅れてごめん…」
 
エリカ「……大神さん…。…あっ!プリン余ってますよ!食べますかっ!?」
 
グリシーヌ「(ばっ、馬鹿者!其方は不自然なのだ!何もするなっ!!)」
 
グリシーヌがエリカに耳打ちをする。
 
エリカ「だってぇ~…」
 
アイリス「お兄ちゃん!アイリスもうお腹ペコペコだよ~…。はやく食べよう!?」
 
大神「あ…あぁ…ごめん…」
 
皆「いっただっきまーす!!!」
 
大神「(…皆…いつも通り振る舞って…。今さくらくんがこんな状況で、本当は皆、食事なんか喉を通るはずがないのに…。…俺が気を遣わせてどうするんだ…)」
 
ロベリア「…どうした隊長…?食わないならアタシが代わりに食べちまうよ?」
 
カンナ「じゃ…じゃああたいにも半分くれよっ!!」
 
大神「………」
 
アイリス「…お兄ちゃん…?」
 
大神「…みんな…。……ありがとう……」
 
誰も何も言わず、ただ優しく微笑んだ。
 
 
-昼・居間-
 
カンナ「ありゃぁ~?ありゃりゃあ~?こんな所に、『花札』があるぞぉ!!」
 
グリシーヌ「なっ、何故そんな物を持ち歩いているのだ…」
 
七瀬「はなふだ…?何ですかそれ??」
 
カンナ「おっ?なんだ、七瀬は花札やった事ねぇのか!?じゃあ教えてやるよ!!」
 
エリカ「あっ、エリカにも教えてくださーい!!!」
 
カンナ「あぁ、いいぜ!…「こいこい」ってやつでな、まずはこれがこーで、これはこーなって………」
 
 
~1時間後~
 
 
カンナ「だーーっ!!!なんでお前ら初心者なのにそんな強いんだよっ!?こいこいばっかりしやがって!!」
 
エリカ「なんでって言われても……。」
 
七瀬「女のカンってやつですかねぇ…。」
 
カンナ「あたいだって女だ!!よし…もっかい勝負だっ!!!」
 
マリア「…フフフ……。隊長は花札…おやりにならないのですか?」
 
大神「あぁ、今は……。……みんなは強いな…」
 
マリア「…皆同じですよ…。…辛くて悲しいけど…くよくよしてても仕方がない、笑わなきゃって…。……ねぇ隊長?」
 
大神「ん…なんだい?」
 
マリア「私達花組は…隊長がいたから、今まで頑張れた……。…隊長がいるから、みんな笑えるんですよ?……だから…」
 
マリアはそっと目線を上げた。
 
マリア「…私達に少しくらい甘えても……罰は当たりませんよ?」
 
大神「…マリア……」
 
アイリス「ねぇねぇお兄ちゃん!お兄ちゃんも一緒に花札やろ?ね??」
 
大神「アイリス…」
 
マリア「(ほら、隊長!)」
 
マリアが大神の腰を軽く押す。
 
大神「……よし!やろう!!負けないぞぉ~!!」
 
アイリス「わ~い♪アイリス強いんだよ~♪」
 
マリア「…頑張って下さい…隊長…。」
 
 
 
 

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