-夢桜・上野公園入口-
グリシーヌ「…私は…死なぬ……生きて帰ると……約束したからなっ!!グロース・ヴァーグ!!!」
荒波が巨大降魔を飲み込む。しかし堪えた様子は全くない。
ギシィァァァァァ!!!
カンナ「…化け物め…。…こいつでどうだ!!!…桐島流最終奥義っ!!」
カンナが右腕を引き絞ると、同時に霊力で大地が揺れる。
カンナ「公相君!!!!」
カンナが渾身の力を込めた拳を地上に突き落とすと、霊力がドーム状に爆発し降魔を巻き込んだ。
カンナ「……はぁっ……はぁ……。…っ!?」
ガァアァァァァァ!!!
カンナ「これでもダメなのか……ちくしょう……ちくしょうっ!!!」
カンナは片膝を付き、すぐに立ち上がることができなかった。
『-----』
カンナ「どんな技も通じねぇ……どうすりゃいいんだよ…」
『「おーーっほっほっほ!!!お久しぶりですわねカンナさん!」』
カンナ「…っ!?この馬鹿みたいに甲高い声は……。…すみれ…すみれなのかっ!?」
『すみれ「全く…なんと無様な…。まぁ、カンナさんにはそれがお似合いですわ」』
カンナ「なっ…なんだとこのサボテン女!?もっぺん言ってみろ!!」
『すみれ「えぇ何度でも言って差し上げます!カンナさんにはその無様な姿がお似合いですわ!!」』
カンナ「…てめぇ…言っていい事と悪い事があるぞ……!…あたい達は…命を懸けて戦ってんだっ!!!」
カンナは声を張り上げ続けた。
カンナ「……あの化け物には何も通じねぇんだよ…。身体が鉄みたいでよぉ……光武無しにあんな……」
『すみれ「………わたくしが無様と申し上げたのは、傷だらけだからではありませんわ。…カンナさん、何をらしくない顔をしていますの?」』
カンナ「……!?」
『すみれ「命を懸けて戦っているのなら、何故自分の力を信じてあげないのですかっ!?」』
カンナ「…すみれ…」
『すみれ「敵の身体が硬いとか…光武が無いとか……そんな事関係ありませんわ!!カンナさんの唯一の取り柄はなんですの!?カンナさんの唯一の魅力はなんですの!?」』
カンナ「……あたいの………」
『すみれ「……馬と鹿の力を…わたくしに見せて下さいな…」』
カンナ「……誰が馬鹿だ…この…サボテン女…」
『すみれ「…カンナさんなら絶対にできますわ…。…あなたは強い。トップスタアのこのわたくしが…保証します…』
そして何事もなかったかのように声は消え去った。
カンナ「…トップスタア……か……」
カンナは軽く微笑んだ。
カンナ「……サンキューすみれ…。…忘れてたぜ……」
身体を右手で支え、ゆっくりと立ち上がる。
カンナ「…あたいは琉球空手桐島流第二八代継承者……桐島カンナ!!」
カンナはハチマキを強く強く締め直した。
カンナ「……あたいに…貫けねぇモンはねぇっ!!!!」
そして自分の頬を叩き気合いを入れ、拳を握り締めた。
次回
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