-現実世界・上野公園-
ギシャァァァアァ!!!
紅蘭「全弾発射っ!!」
10発以上もの火砲を同時に発射する。
コクリコ「それっ!いったよレニ!!」
レニ「うんっ!!………ドリッター……」
コクリコのネコ型気弾によって吹き飛ばされた降魔をレニが待ち構える。
レニ「ジークフリード!!!」
巨大かつ鋭いランスで降魔を引き裂いた。
織姫「いやぁ~~っ!!!なんか皆サン、私にばっかり狙いを定めてませ~んかっ!?」
降魔達は、やたらに織姫機を集中的に攻撃していた。
花火「あぁ…生き物は『赤い物』を見ると興奮する性質がありますから……」
織姫「私の光武は『赤』ではなく『薄紫』でーすっ!!」
花火「あっ…そうでした…。私ったら……ぽっ…」
織姫「『……ぽっ…』…じゃないでーす!!はやく助けてくーださーい!!!」
花火「すっ、すみません!!……三の舞…雪月風花っ!!」
花火は慌てながらも、織姫を取り囲んでいた降魔を正確に射抜いた。
紅蘭「…ひぃ~……一体何匹おるんや!?」
コクリコ「倒しても倒しても…次から次に……ふぅ…」
紅蘭「あかん…ちょっとクラクラしてきたわ……」
紅蘭達は、何十匹もの降魔を消し去った。しかし群れが減る気配もまた、一向になかった。
-作戦指令室-
皆食い入るようにモニターを見つめていた。
かえで「……米田さん…どうしましょう……」
米田「……ちっ…!!」
米田は強く右手を握り締めた。
斧彦「あゎゎゎゎゎ……もぅ…見てられない…」
菊之丞「…みんなぁ~~……」
琴音「…皆を…信じるのっ!信じる事が…あたし達の戦いなのよっ!!!」
椿「…うっ…うぐっ……うわぁ~~~んっ!!!」
かすみ「つ、椿!こんな時に泣かないの……」
コツン…コツン…コツン……
彼女は廊下を気品高く歩いていた。そして作戦指令室前で立ち止まる。
由里「あぁもうどうしたらいいのっ!?!やっぱり5人であの数なんて無茶よぉ~~!!!」
ガチャ
『彼女』は後方にあるドアを開けた。
「……それでは…6人ならよろしくって?」
由里「……っ!?……この…声……」
椿「…まさか……まさか…!!!」
米田「…おっ、おめぇ……」
-上野公園-
紅蘭「…あかん…ウチ…もう限界や……」
織姫「隊長代理がそんな弱気な事言ってどうするでーすか!!」
コクリコ「でも…やっぱり5人じゃちょっと…無理があったかな…はは……」
彼女達はボロボロになりながらお互いに背中を預け、無数とも見える降魔に周りを囲まれていた。
レニ「……来るっ!!」
5人は身構える。
ギシャァァァァァ!!!
周囲の降魔が5人に襲い掛かろうとしたその刹那、突然降魔達は発火した。
コクリコ「なっ、なにっ!?」
レニ「自然発火っ…?!ちがうっ!!」
「…神崎風塵流……奥義……」
花火「っ!?この霊力……まさか…!!」
「不死鳥の舞!!!」
ガガ…ガ……ギィァァァァァァァアァ!!!!!
掛け声とともに空から不死鳥の如き炎を纏った紫の機体が舞い降りる。
闇夜に輝くその姿は、まるで女神のようだった。
そしてその霊力爆発により、周りを囲んでいた降魔の数は明らかに減少した。
「お久しぶりですわね皆さん…」
舞い降りた女神は、ゆっくりと振り返る。
すみれ「…元・帝国歌劇団花組のトップスタア…。…神崎すみれ!!華麗に参上ですわっ!!!」
織姫「…す…す…すすすっ……!!」
紅蘭「…す…みれ…はん………すみれはんっ!!!」
花火「来て下さったのですね…」
すみれ「いえ…偶然ふらふらぁ~っと立ち寄っただけですわ」
コクリコ「ふふっ…嘘ばっかり」
紅蘭「…よっしゃ!なんか気合い入ったで!ウチはまだ諦めへんっ!!」
織姫「まったく…来るなら来るで、もっと早く来てくださーい!!」
レニ「…フフッ……本当の戦いは…これからだ!!」
紅蘭・織姫・レニの三人は、再び降魔の群れに突き進む。
紅蘭「チビロボ二式やっ!!!」
織姫「さっきのお返しでーす!!ヴィアッジョ・ローズ!!!」
レニ「…帝都を…お前達の好きにはさせない!ブラウアー・フォーゲル!!!!」
コクリコ「すごい…すみれが来てから、皆がまた元気になったよ!!」
花火「…仲間とは、そういうものですわ」
『-----』
すみれ「…っ!?」
コクリコ「さぁ!ボク達も行こう!!ほら、すみれもっ!!」
すみれ「え…えぇ……先に行ってて下さいまし…すぐに加勢いたしますから」
花火「わかりました。行きましょう、コクリコっ!!」
そして花火とコクリコも降魔の群れへと消えた。
『…ちくしょう……ちくしょうっ!!!』
すみれ「………あの……ゴリラ女……。」
すみれはその場で瞳を閉じた。
次回
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