-桜樹内部-
大神「…俺は……どうすればいいんだ……」
暗黒の中で一人佇み、次第に自分を見失い始めていた。
『…フフフ…ソウダ…。貴様モヤガテソノ娘ト同類ニナリ、桜ノ生ケ贄ト化スノダッ!!』
大神「…もう…だめだ……」
『-----』
大神「…みんな…ごめん……。……もう……俺……」
大神は俯き瞳を閉じた。
『「…大神くん、諦めちゃダメよ」』
大神「…っ!!この声は…かえでさんっ!?」
『「ブー!は・ず・れ♪…もう私の事なんて忘れちゃったかしら??」』
大神「……っ!?…まさか……まさか……。………あやめ…さん……?」
『あやめ「正解♪よかったわ…覚えていてくれて…」』
大神「そんなっ!!忘れるわけないじゃないですかっ!!」
『あやめ「……どうして?」』
大神「えっ…?…それは…。…あやめさんは、俺にとって…俺達花組にとって、希望を教えてくれたかけがえのない人だから…」
『あやめ「…ふふっ。もちろん、私は信じていたわよ…。大神くんは、私の事をきっと覚えていてくれる……ってね。…私にとっても…大神くんや花組の皆は、かけがえのない子達なの…。」』
大神「…??それって…どういう……」
『あやめ「…かけがえのない人とならね、何があっても…何処にいても……想いは繋がるの…」』
大神「……っ!!」
『あやめ「…大神くん。…信じてあげて…。あなたのかけがえのない人を……さくらを信じてあげて!!」』
大神「…あやめさん…」
『あやめ「…さくらはね…大神くんの事が好きで好きでたまらないの……大好きなの…。あなたの心で呼び続ければ、きっとまた笑ってくれる…」』
大神「………」
『あやめ「…さくらには大神くんが必要なのよ…。…だから逃げちゃダメ。目を逸らさないでっ!前を見なさいっ!!」』
徐々にあやめの声が薄れていく。
『あやめ「…いまさくらを救えるのは、大神くんしかいないの。…頑張って…頑張ってね、大神くんっ!!」』
大神「……はいっ!!」
『あやめ「よしっ、偉いぞ!!……それじゃあ……またね……大神くん♪」』
そして声は消えた。
大神「…ありがとうございます……あやめさん…」
『サッキカラ何ヲ一人デブツブツト……モウアキラメロ!!』
大神「…俺は諦めない…。…俺は…必ずさくらくんを助け出してみせるっ!!」
今まで何回も見せてきたように…そして全てを包み込むように、凛々しく瞳を開いた。
次回
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