-夢桜・上野公園入口-
ロベリア「燃えろっ!!カルド・プリジオーネ!!!」
渾身の力を込めた極炎が降魔を焼き尽くす。
ガァァァァァ!!!
ロベリア「…っ!?しまった…っ!!」
マリア「パールクヴィチノィ!!!」
ロベリアの後方から飛び掛かろうとした降魔の頭部を正確に狙い、オーロラの弾丸が吹き飛ばした。
ロベリア「…フッ…『ありがとう』って言えばいいのかい…?」
マリア「いえ…遠慮しておくわ」
二人は一瞬目を合わせると、すぐさま攻撃姿勢に戻った。
カンナ「オラオラオラオラァァッ!!!!」
一匹の降魔に何百発もの拳を叩き込む。
グィァァァ……
カンナ「…はぁ…はぁ……よし次っ!!」
グリシーヌ「その戦い方では辛かろう。少し休んでもよいのだぞ??」
カンナ「へっ…生憎あたいは、休むって日本語知らなくてね!!」
カンナとグリシーヌは互いに背中を預けていた。
グリシーヌ「戦いにおいて、要領は生死を分ける……しかと見よ!!」
その場で高く跳び上がる。
グリシーヌ「大いなる荒波の力よ……我が魂のもと……」
放物線の頂点に到達すると同時に戦斧を構えた。
グリシーヌ「ここに集え!!ゲール・サント!!!!」
グリシーヌが戦斧を地に叩きつけると、マグマのように津波が噴き出した。
カンナ「…ちぇっ…便利だよなぁ…一気に降魔を消しやがった。……反則だぜ、飛び道具はよ…」
カンナはその場で少しいじけた。
ギィァァァァァ!!!
降魔が一直線にロベリアへと飛び掛かる。
…ガ…ァァァ……
…が、ロベリアは眉一つ動かさず、炎を纏った手刀で降魔を貫いた。
ロベリア「…オイ……アンタ…誰に向かって噛み付こうとしてんだい?…アタシは『巴里の悪魔』…ロベリア・カルリーニだ……よーく覚えときなっ!!!」
右腕を素早く引き抜くと、降魔は炎とともに絶命した。
マリア「…よし…あとはあの降魔だけね…」
カンナ「いよいよ親玉のお出ましか。…高みの見物しやがって…腕が鳴るぜ!」
グリシーヌ「早く隊長達の元へ戻るのだ……ゆくぞっ!!!」
グリシーヌは走り出す。
グリシーヌ「あぁぁあぁぁぁ!!」
キィィン!!!
グリシーヌ「なにっ!?刃が…!?…ぐぁぁぁぁ!!!」
戦斧の刃は、降魔の装甲とも思えるほどの身体により欠落してしまった。そして同時に降魔は尾でグリシーヌを吹き飛ばす。
マリア「…これならどうかしら…?」
エンフィールドを水平に倒し狙いを定める。
マリア「スネグーラチカッ!!!!」
そして何十発もの弾丸を撃ち込んだ。しかし霊力により吹き飛ばしはするものの、身体を貫くまでにはいたらなかった。
ロベリア「ったく…身体が硬いなら燃やせばいいだけの話だろ?」
右腕を前に翳した。
ロベリア「コンブスティオーネ!!!!」
炎球が降魔を襲う。
ガァァァァァァァ!!!!!
ロベリア「っ!?消えたっ!?」
カンナ「上だっ!ロベリアっ!!くっ…間に合わねぇ…!!!」
ギィシャァァァ!!!
降魔が爪を振り下ろすと突風が起こり、真下にいたロベリアを地にめり込ませた。
ロベリア「ぐぁぁぁぁ!!!……ゲホッ……ぐっ……!!」
思わぬ攻撃に受け身を取る間も無く叩きつけられ、吐血した。
マリア「ロベリアッ!!…守りが硬い上に素早いんじゃ…一体どうしろっていうの…!?」
カンナ「っ!?来たぞ!!」
マリア「くっ…っ!!」
マリアは銃を連射する…しかし全てが弾かれ、マリアの眼前に立ち塞がった。
マリア「…あ……あ……」
ギィァァァァ!!!
マリア「っ!?あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
降魔は文字通り瞬きをする間にマリアを拘束し、牙をたてる。
彼女は死に物狂いで身体を捻ったが、それでも肩口をわずかに食いちぎられた。
カンナ「マリアーーーーっ!!!!てめぇ!マリアを放しやがれっ!!!」
マリアを降魔から開放すべく、後方から大きく助走をつけた膝蹴りを入れる。
カンナ「っ!?ビクともしねぇ……なんて硬さだ……ちっ!!」
カンナが一旦後ろに跳ぶと、降魔もマリアを放した。
カンナ「……まいったな……」
まさに絶対絶命であった。
次回
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