~現実世界~
-帝劇・テラス-
紅蘭「…はぁ…さくらはんがあぁなってからもう三日や…。…ウチらはどないしたらええんや…」
花火「…わかりません…。わかりませんけど……皆さんを信じましょう?…信じれば必ず……」
紅蘭「…そやな…。どんな科学力より、信じる力の方が勝るかもしれまへんな…」
花火「……今日は満月ですわ…。…綺麗……。…空は…巴里にいても…帝都にいても……何処にいても、同じように美しく見えるのですね……ぽっ…」
ビーーーッ!
ビーーーッ!
ビーーーッ!
紅蘭「っ!?なんやっ!!…かえではんの予感は、当たってもうたんか……!?」
花火「なんでこんな時に…。…とにかく行ってみましょう!!」
-作戦指令室-
紅蘭と花火が急いでドアを開けた。
ガチャ
紅蘭「遅れてすみまへん………って……」
紅蘭と花火の前には、軍服を着た懐かしい姿があった。
紅蘭「よっ…よよよよ、米田はん!?!?!どないしたんや!?」
米田「おいおい、そこまであからさまに驚く事ねぇだろ!…かえでから連絡があったんだよ。可愛い子供達がこんな事になっちまって……黙ってのんびりしてるわけにはいかねぇからな!!」
織姫「一時的に華撃団復帰で~すね!」
米田「ほら、懐かしの再開もここまでだ。……上野公園に降魔が現れやがった」
紅蘭「こ、降魔やてっ!?…降魔はもうあの時……」
かえで「出現理由はわからないわ…。でも最悪なのは、そんな事じゃないの……。これを見てくれる?」
するとモニターに、現在の上野公園の様子が映し出された。
レニ「っ!?これは……!?」
紅蘭「な…なんちゅう数や!!」
花火「…50…100……いえ、それ以上いるかもしれません……」
モニターに映し出されたのは、悪夢のように地上と空中を飛び交う降魔の群れであった。
織姫「こっ…こんなの無茶でーす!!たった5人で、こんな数に勝てるわけあーりませーん!!」
コクリコ「でも…やるしかないよ…。黙って見過ごすわけにはいかないし!!」
米田「…よく言ったコクリコ。おめぇ達はこの世界の最後の希望だ!!負ける事は許されねぇ!!!」
レニ「…確かに…このまま黙って見てるなんて、僕にはできない…」
米田「………。……だけどよ…」
それまで引き締まっていた米田の顔が緩む。
米田「…だけど……どうしても……どうしても勝てねぇって思った時は……、ここに戻って来い…。そのあとの事は、またその時考えりゃあいい…」
かえで「米田さん…」
米田「へっ…だからって、端っから勝てねぇなんて間違っても考えるなよ!?勝つ気で戦うんだ!!いいな!?!」
花火「はい…わかっております」
織姫「私達に任せてく~ださ~い♪」
米田「…よし!隊長代理は紅蘭!頼んだぜ?」
紅蘭「うっ、ウチかぁ?!なんや緊張しますなぁ…」
かえで「ふふっ…何言ってるの…。大丈夫、紅蘭ならできるわ」
レニ「…頑張って」
コクリコ「紅蘭なら、降魔相手にもツッコミ入れちゃいそうだよね♪」
花火「い、言い過ぎよコクリコ…」
米田「ほら紅蘭!!出撃命令だ!!」
紅蘭「おぉっ♪ウチ一度やってみたかったんや……ほな行くで!!…………あ……なぁ、帝国華撃団も巴里華撃団も、両方言った方がええんかな??」
米田「もうどっちでもいいから早くしやがれ!!降魔さんが待ちくたびれてるぜ!!」
紅蘭「ははっ…それもそうやな!……ほんなら……」
紅蘭は姿勢を正した。
紅蘭「大神華撃団・出撃せよっ!!!目標・上野公園!!」
皆「「了解っ!!」」
米田はあの頃を思い出し、悟られないように微笑んだ。
次回
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