-事務所:別室-
未央「プロデューサープロデューサー!!お願いがあります!!」
勢いよくドアを開け、凛を引きずりながらずかずかと中に侵入していく。
P「本田さん…どうしました?」
未央「プロデューサー。私たち、ヒーローになりたいの!!」
P「は、はぁ、、ヒーロー…ですか?」
凛「実はね…」
かくかくしかじか…
P「なるほど、そういうことですか…それは面白そうな企画ですね」
凛「えっ、いいの?」
凛は予想外の即答に驚きを隠せなかった。
P「えぇ。もちろん著作権の関係で『ナチュレンジャー』の商標は使用できませんが、アイドルの皆さん達のプロモーション活動の一環として、開催は可能かと思います」
彼女たちの意志を汲み、彼は続けた。
P「それに、ファンの方々も普段とはまた違ったアイドルの一面を観ることができて、きっと喜ぶと思います。それでは、『ゲリラショー』をされてみるのはいかがでしょうか?」
卯月「はぁ…はぁ……『ゲリラショー』…ですか?」
爆速の未央に引き離されてしまった為、遅れて入室してきた卯月が話に追いついた。
P「はい。事前の告知なく、突発的にステージでショーを始めるのです。ヒーローショーは、子供たちも楽しめるものにしなければいけません。それならば、家族連れの多い場所で無料のゲリラショーを実施するのが一番だと思うのです」
未央「わぁ〜☆うんうん!いいねいいね!!」
凛「子供たちに向けたゲリラショーか…。また一歩、成長できる気がするよ」
卯月「そうですね!みんなの笑顔…楽しみです!島村卯月、頑張ります!!」
P「それでは社内調整後、脚本や音楽、会場などはこちらで手配してみます。あとは他のメンバーを…」
未央「他のメンバーは、私たちが声かけてみるよ!あとさ!」
P「はい、なんでしょう?」
未央「脚本も、私が書いてみたいんだ!ほら、最近舞台にも沢山出させてもらってるし…いずれは舞台構成そのものを私が創ってみたいなって…。だからこの機会を、掴んでみたいんだ」
卯月「すごい…すごいよ未央ちゃん!!私、応援します!!」
卯月は瞳をキラキラと輝かせながら未央を見つめている。
未央「まぁそれに…これはもともと私が言い出したことだしね。プロデューサーにばっかり迷惑かけられないよっ!」
頬をポリポリと掻きながら、照れくさそうに答えた。
P「そうですか…。それでは、是非お願いします。それでは脚本とメンバーが固まり次第、練習に入りましょう」
3人「「「ありがとうございます!!」」」
P「ただ…アクションはとても危険です。開催は3ヶ月後のGWを考えていますので、それまでしっかり練習をして、絶対にケガのないようにしてください」
ゴク…
凛「わかったよ…必ず、成功させてみせる」
3人はまっすぐプロデューサーを見つめ、力強く頷いた。
P「それから…ファンの方々や子供たちに、夢を与えてあげてください」
未央「うん!任せて!私たち、バッチリ決めるから!!じゃあ2人とも、みんなを誘いに行こう!!」
期待に胸を膨らませ部屋を出ていく彼女たちを、プロデューサーは微笑み見送った。
次回
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