『サクラ大戦~alleluia~』3:第一章「器」

サクラ大戦~alleluia~
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一方エリカは、コクリコ、シー、そして新人のエルザと共に盛り上がっていた。
 
コクリコ「だーかーらーっ!プリンは焼きプリンが1番だよっ!」
 
エルザ「あたしはヨーグルト派かなぁ…」
 
シー「絶対ケーキですよぅ!!」
 
エリカ「ふっふっふ…。皆さん甘いですね。プリンはプリンでも、普通の、スタンダードなプリンが、いっちばーーーーーんおいしいんです!!」
 
コクリコ「焼きプリンの方が香ばしいもん!」
 
エルザ「やっぱあたしはヨーグルトだなぁ…」
 
シー「だからケーキですよぅ!!!」
 
こちらはそれぞれがそれぞれの意見をひたすら貫き通そうとしていた。
 
 
コクリコ「まったくもぅ…。…あれ??………んあっ!!グラン・マ呼ぶの忘れてた!!」
 
エルザ「あっ!あたし呼んできましょうか!?」
 
シー「あたしが呼んできますよ!!」
 
エリカ「グラン・マ……なぁーんか忘れてる気が……」
 
コクリコ「……?…あーーっ!エリカ、グラン・マに『作戦指令室に来るように』って言われてたじゃん!!」
 
エリカ「ん………あーーーーーっ!!完全に忘れてました!!わ、私ちょっと行ってきます!!それではっ!!」
 
そう言うと、暴れ馬のように立ち上がり走りだした。
 
シー「あっ!」
コクリコ「エリカっ!」
エルザ「前っ!」
エリカ「へっ?」
 
-ドガッ-
 
エリカ「いったーーい…またやっちゃいましたぁ~……。…もうドアさんなんか大っきらいです!!」
 
頭を抑え泣きながら走り去った。
 
コクリコ「もぉ~、大丈夫かなぁ…」
 
6歳年下のコクリコは心の底から心配していた。
 
 
 
 
-作戦指令室-
 
エリカ「おっ、遅れてすみませんっ!!エリカ・フォンティーヌ、ただいま到着しました!!!」
 
息を切らしながらエリカは部屋に入った。
 
グラン・マ「やっと来たかい。…まぁ、確かに落ち着いてからでいいとは言ったけどね」
 
見るからにグラン・マは怒っている。
 
エリカ「すみません、皆でフィナーレ公演のお祝いをしていて……。…あっ!そうだった!あの、グラン・マも一緒にどうですか!?」
 
グラン・マ「お祝いかい?すまないねぇ…どうしてもやらなきゃいけない仕事が残っててね。…また今度誘っておくれよ」
 
エリカ「そうですか……。あ、ところでどうしたんですか?」
 
グラン・マ「あぁ…。ちょっとこれを見ておくれ」
 
 
すると、部屋の正面にあるモニターにフランス全域の地図が照らし出される。しかし、巴里だけを何故か『赤い光』が囲っていた。
 
 
エリカ「??なんですかこの赤??」
 
グラン・マ「…妖力さ。この巴里を覆うように、妖力の結界が張られている…」
 
エリカ「妖力?結界?…また敵ですかっ!?」
 
グラン・マ「多分ね…。まぁ、あっちが動いてくれないと、こっちも迂闊に動けないんだけどさ…。また何かあったら報告するよ。…それと、この事はまだ皆に言うんじゃないよ?余計な混乱は避けたいからね…」
 
エリカ「…わかりました……。失礼します…」
 
エリカは表情を曇らせながら、部屋を後にした。
 
 
 
…正直自信がなかった。大神のように部隊を一つに纏め上げ、巴里を守る事ができるのか?自分にそんな力があるのか?いつも周りに迷惑ばかりかけている自分が、副隊長になる資格などあるのだろうか?…自分には器はない。自分一人では何もできない。誰かに助けてほしい…。
 
 
 
エリカ「…大神さん……」
 
 
様々な感情が頭の中を往来し、気が付くと強く唇を噛んでいた…。
 
 
 
 
…そして時間は少し遡り、、
復活を遂げた天海がミロクを連れ、巴里はノートルダム寺院を見下ろしている。
 
 
ミロク「…天海様、何故巴里などに?」
 
天海「我の目的は日之本の支配…。だが奇しくも、あの帝国華撃団とやらに我は敗戦してしまった…。しかし!我は悪夢の中で見ていたのだ。巴里にも華撃団とやらがあることを…。まずは此奴らを消し、打ち首を持って帝国華撃団への冥土の土産にしてやるのだ!!ふははははははは!!!!!!」
 
ミロク「…ですが、巴里と帝都が共闘を始めた時は厄介ですね…」
 
天海「案ずるでない。それくらいの事は考えておる…。そのために、巴里に結界を張るのだ。結界により、巴里を完全に外界から隔離できる。…さらに、このノートルダム寺院には、我と同じ理想を持った者の魂が眠っておるのだ…。奴さえ蘇らせれば、我々に適う者などおらぬっ!!…ミロクよ…明後日、あ奴らに伝えてこい。……………とな」
 
ミロク「……………ですね。はっ。承知致しました」
 
天海「もうすぐだ……もうすぐ世は再び『大僧正・天海』の前にひれ伏すのだ…。フフフフフ……ひゃーっはははは!!」
 
 
ミロク「…それでは反魂の儀式を――」
 
印を結ぶと辺りは輝き、その場は漆黒の闇に包まれた…。
 
 
 
 

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