『サクラ大戦~夢の通い路~』25:最終章「知られざる心」

大神「…ふぅっ……」

さくら「終わりましたね…大神さん」

大神「あぁ…ありがとうさくらくん…」

さくら「いえっ…!そんな……」

顔を赤らめて俯いた。

七瀬「………」

カンナ「へへっ!!やったな隊長っ!!!でも…身体が動かねぇ…」

『あやめ「みんな…よく頑張ったわね…」』

大神「……っ!!あやめさんっ!!」

さくら「えっ…!?」

グリ&ロベ「……??」

大神「理由はわからないけど……あやめさんは、桜樹の中で俺を助けてくれたんだ」

『あやめ「ふふっ…。私はきっかけをあげただけよ。…みんな、昔とは見違えちゃったわ…。ご褒美と言ってはなんだけど……」』

すると空から金色の光が優しく降り注いだ。

アイリス「わぁ~♪あったかぁ~い♪」

ロベリア「身体が…治ってく…」

グリシーヌ「どういう事なのだ一体…」

皆は傷が癒えると立ち上がった。

『あやめ「みんな…今日あった事…想いを一つにした事…忘れないでね?」』

大神「はい…わかりました…」

『あやめ「それじゃあ……。……あ、そうそう!!…大神くん、さくら?」』

さくら「はっ、はいっ!!」

『あやめ「二人とも………お幸せに♪うふっ♪それじゃ、またね!!」』

そして声は消えた。

カンナ「『うふっ♪』って…やっぱり読めねぇな、あやめさんは…」

…ぼんっ!!!

グリシーヌ「…っ!?…この音は…?」

大神「おし、おしあわせにって、ど、どおいう意味だろぉねぇさくらくんっ!?」

さくら「えっ、えとその、あのぉ……」

皆の察しの通り、二人の顔が茹で上がる音であった。

ロベリア「フッ…まぁ…元気出せよエリカ。生きてりゃ良い事ある……って、泣いてんのか??」

肩を軽く『ぽんぽん』と叩いた。

エリカ「…うぐっ…ぅ……ぁ゙ぃ……」

グリシーヌ「…やれやれ…」

『……グ…ァ………』

「「………っ!!!」」

カンナ「なっ!?あの野郎、まだ生きてやがったのかっ!?」

皆は踵を返し即座に構える。
その目線の先には、砂に埋もれながらも微かに息をしている桜樹の姿があった。…恐らくもう、それほど長くはない。

ロベリア「…とっとと片付けちまおうぜ」

七瀬「…あっ……」

さくら「…待って下さい!!」

ロベリア「はぁ?何故止める?お前コイツを許すってのか??」

さくら「そういう訳じゃないですけど…。…もうこれ以上やる必要はないと思います…」

七瀬「…さくらさん…。」

さくら「桜樹からは、いろいろ話を聞かなきゃいけないし、それに……」

さくらは一度俯き、再び顔を上げて言う。

さくら「それに…あたしが初めて桜樹を見た時……なんだかとても寂しそうでした……」

『…………』

ロベリア「…ったく、その甘さにはヘドが出るよ…。……好きにしな」

エリカ「うふふっ♪そんな事言ってぇ~♪本当は優しいんですよね?ロ・ベ・リ・ア・さんっ♪………むぎゅっ!!」

ロベリア「ぐっ…!!…あぁもう!!うるさいなっ!!抱き着くなってのっ!!」

大神「…桜樹…。話を聞かせてくれないか…?」

『……イイダロウ……』

そして桜樹は話し始めた…。

『夢桜』を統一するには、歴史を変えた…もしくは変わった出来事についての主軸の人物が必要。
其れ即ち『破邪の血を引く者…真宮寺さくら』と『帝国華撃団・巴里華撃団隊長…大神一郎』であったという事…。

元は桜の精であったが、『桜』の減少を僅かでも防ぐため、この『桜樹』に憑依したという事…。

『夢桜』さえ開通すれば、誰一人殺めるつもりはなかったという事…。

そして……。

カンナ「そんな…殺す気がなかったって!?だからって記憶を消していいと思ってんのかよっ!?」

マリア「…あなたは何故『夢桜』の統一にそこまでこだわるの??…やっぱり戦争ばかりした人間達への復讐…?」

『…ソンナ事ニ興味ハナイ…。……タダ……』

桜樹は黙り込む。

七瀬「…ただ……なぁに??」

七瀬は優しく尋ねた。

『…タダ……皆ニ逢イタカッタ…。モウ一度……仲間達ニ逢イタカッタ……』

さくら「…っ!?」

桜樹の余りに意外な返答に、皆は一瞬言葉を失った。

アイリス「……アイリスたちの世界にいるお友達に…逢いたかっただけなの……?」

エリカ「…そんな……そんなのって……」

ロベリア「……ちっ……」

すると突然、桜樹の身体が白く輝き出した。

七瀬「っ!?まさか……」

『………。…大神一郎…』

大神「……なんだ…?」

『…強イヤツダヨ…オ前ハ……アラユル意味デナ…。…オ前ヲ慕ウ者達ヲ……大切ニシロヨ……』

大神「…あぁ…わかってる…」

『…七瀬…。…イロイロト…スマナカッタナ…。……幸セニナッテクレ……』

七瀬「…いや……お願いだから…そんな事…言わないで……!!」

七瀬の瞳から大粒の涙が溢れ出る。

『…アッチニ行ッタラ……皆ニ…逢エル……カナ………』

そして目映い光と共に、桜樹は消滅した…。

七瀬「…っ!!……バカ……。………さよなら…」

さくら「…これじゃあ…あたし達が……」

グリシーヌ「…私達にも守るべき仲間がいる。民がいる。私達も、信じる正義のために戦ったのだ…。…間違ってはおらぬ…」

さくら「……はい…」

さくらは袖で、何度も何度も涙を拭いた。

次回

『サクラ大戦~夢の通い路~』26:最終章「想いは繋がる」
カンナ「……さてとっ!!じゃあどうすっか、これから……」場の空気を変えようと、少し声を張り上げた。マリア「…そうね…。…じゃあ、ホテルに戻って桜餅でも頂こうかしら?」アイリス「…そうだねっ♪アイリスお腹減っちゃったし…ご馳走してよ七瀬っ!!」七瀬「…皆さん…ありがとうございます…。…でも……それはできません…。…すみません」

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