『サクラ大戦~夢の通い路~』7:第三章「理由」



-夢桜・帝都-

上野公園での一件の後、七瀬を含めた8人はホテルに戻っていた。

マリア「それじゃ…聞かせてもらおうかしら」

七瀬「はい…。…まず…先程言った通り、私もあの『桜樹』も…桜の精なのです」

マリア「この……えっと…『夢桜』にも、降魔がいるの?何故私達を……」

七瀬「どうやって召喚したかまでは分かりませんが…。今もう既に、この世界と貴方達の世界を繋ぐ……降魔が通れるくらいの穴は開いているとしたら…」

カンナ「あたい達の世界に降魔がっ……!?今の華撃団には帝巴合わせて……。……。え~っと…ん~と……」

グリシーヌ「5人だ」

カンナ「あっすまねぇな!…そう、5人しかいねぇんだ!!ちょっとばかしマズいだろ……」

七瀬「すみません…貴方達の世界の事を考えずに呼び出してしまって……」

エリカ「いいですよ、気にしないで下さい♪七瀬さんが呼んでくれなきゃ、さくらさんは見つかりませんでしたから!」

エリカは七瀬の肩をポンポンと軽く叩く。

エリカ「それに、皆さんならきっと大丈夫ですよ!わたし、信じています!」

七瀬「エリカさん…」

エリカの笑顔に引き寄せられるように、七瀬の頬も緩んでいった。

アイリス「ねぇねぇ、『桜の精』っていうのは二人しかいないの??」

七瀬「いいえ…。昔はたくさん仲間がいて、一人約1000本の桜の樹を管理していました」

アイリス「昔って……今は?今は友達いないの??」

七瀬「……私はさっき桜樹に『何が貴方を変えたのかは知らない』と言いましたけど…本当は知っているんです。……外の町並みをご覧になりましたか?」

グリシーヌ「あぁ。あの時は何も言わなかったが…。何故あそこまで朽ち果てているのだ?まるで荒れ地だ…」
七瀬「…戦争です。人々は皆、己の欲望の為に、戦争…戦争…。当然被害は大きくて…。今この日本に、桜の樹は約100本弱しか残っていません…。その時に……みんな…みん…な……」

七瀬は瞳の潤みを隠すように俯いた。

エリカ「…ひどい…」

ロベリア「…だから桜樹は人間達に復讐を…ってとこか。けど…なんで復讐が、アタシ達の世界と一つになる事と関係あるんだ……?」

大神「…七瀬くん…。もういいよ、ありがとう」

七瀬「…っ!?…でっ……でも……」

瞳を閉じて肩を小さく震わせている七瀬に、大神は優しく微笑んだ。

大神「誰だって…思い出したくない事の一つや二つはあるもんさ…。みんな、もう質問はやめないか?」

マリア「…そうですね」

カンナ「そうだな。へへっ…」

グリシーヌ「まぁ、大体の事は聞けたしな」

七瀬「…みなさん……ありがとう…ございます……」

七瀬はもう涙を堪えることができなかった。

大神「桜餅…もらっていいかな?」

七瀬「…ぐすっ……。…もちろんですっ♪」

とても良い笑顔だった。

カンナ「そ~そ~!せっかく可愛いんだから、笑わねぇと勿体ねぇよ!なぁ隊長?」

大神「なっ…あ…まぁ…確かに……笑った方が…可愛いと……」

アイリス「あーーっ!!お兄ちゃん赤くなってるぅ~!さくらに言っちゃお~♪」

大神「えっ?!そっ、そんなぁ……。」

皆「「あははははははっ!!!」」




同じ頃…。



さくら「………」

『…マダ全テノ記憶が消エヌトイウノカ…。…ナントイウ強イ想イダ…。…マァヨイ……時ガ全テヲ解決スルダロウ…。フ…フハハハハハハ!!!』

さくら「………」

さくらのぼんやりと開いた瞳からは、涙が流れ続けていた。




次回

『サクラ大戦~夢の通い路~』8:第四章「頑張ってください」
大神「(さくらくんっ!助けに来たぞっ!!)」さくら「(だ…誰ですか貴方…?)」大神「(忘れたのかい?俺だっ!大神だよっ!!)」『フフフ…何度尋ネテモ同ジ事ダ…。ソノ娘ニハモウ貴様ノ記憶ハナイ!!!』大神「(そんな……そ…んな…。嘘だ……嘘だと言ってくれ!!!)」『フハハハハ!!アハハハハハ!!!アーアーアーアー……』

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