『サクラ大戦~夢の通い路~』5:第三章「桜樹」



-上野公園-


大神「…この桜樹に…さくらくんが…??」

大神・七瀬達は、問題の桜の樹を見上げていた。真宮寺さくらを助け出すために。

カンナ「本当にこんなとこにいるのかよ?ただの桜じゃねぇか。」

腰に手をあて、はぁとため息をついた。

七瀬「すみません…。私も、さくらさんがここにいるって事しか知らなくて……どうすれば出てくるとか、どうすれば中に入れるとかまでは……」

ロベリア「おいおい頼むぜ桜の精さんよ」

マリア「まぁいいじゃないの。ここにさくらがいるってわかっただけでも良しとしましょう?」

アイリス「でも急がなきゃいけないんでしょ!?」

マリア「えぇ…困ったわね…。……っ!?皆!伏せてっ!!」

エリカ「えっ!?どうしたんですか?………って、きゃぁぁぁぁあ!!!」


突然大神達の間を、突風と共に黒く巨大な生物が過ぎ去った。


大神「っ!?こいつは……降魔っ!!」

エリカ「『子馬』??子馬さんって飛べるんですかっ!?」

グリシーヌ「其方は少し黙っていろっ!…しかし何なのだ!あ奴は!!」

ロベリア「まっ、悪者には間違いなさそうだけどね」


ギシャァァァァァ!!


降魔は雄叫びを上げると、一直線にアイリスへと向かって行く。

アイリス「っ!?…いゃ…来ないで……」

大神「くっ…アイリス!!」

キィンッ!!

間一髪の所で大神がアイリスの眼前に現れ、腰に掛けていた『霊剣荒鷹』で降魔の攻撃を防いだ。

マリア「隊長っ!!あぁぁぁ!リディニーク!!!」

ギィァァァァ…ァ…

マリアの弾丸が見事に降魔に命中し、降魔は消滅した。

七瀬「(さすがだわ…。銃を放つ瞬間、爆発的に霊力が増大した…。…私の目に狂いはなかった…!)」

アイリス「…ありがとうお兄ちゃん、マリア」

大神「いや、いいんだ。……それより…」

七瀬「(でも…降魔が召喚されているなんて…。まさか…もう『夢桜』の統一は最終段階に……!?)」



『…見事デアッタ……』



グリシーヌ「っ!?誰だっ!?」

皆の頭の中に何者かが語りかけてきた。


『誰ダトハ心外ダナ…。今オ前達ノ前ニイルデハナイカ……イヤ、立ッテイルト言ッタ方ガ正シイカ……。』


ロベリア「はぁ?何言ってんだこいつは?」

七瀬「…やっぱり貴方だったのね」

カンナ「やっぱりって…どういう事だよ?」

七瀬「こいつはこの桜の樹…。…私と同じ『桜の精』です」

カンナ「にゃ、にゃんだとぉっ!?」

ロベリア「フン…じゃあこの樹を燃やしちまえばいいじゃないか」

そう言うとロベリアは右手に炎を燈した。

『フッ…ヤメテオケ。私ヲ燃ヤセバ、中ニイル《真宮寺さくら》トヤラモ燃エテシマウゾ…??』

ロベリア「ちっ…」

『夢桜ノ統一ハ、モウ最終段階ニハイッテイル。…シカシ私ハ慈悲深イ…。貴様達ニ最後ノチャンスヲヤロウ』

エリカ「あれ?意外と優しいんですねぇ~。悪者なのに」

カンナ「ナメられてんだよっ!!」

『二日後…満月ノ夜ニ、私ハ全テヲ実行シ、開放スル…。…止メテミヨ。真宮寺さくらヲ助ケダシ、夢桜ノ統一ヲ止メテミヨ!!!』

カンナ「へっ…上等だ。…首洗って待ってやがれ!!」

エリカ「でも、桜樹だから首無いですよっ!?」

カンナ「あぁもう!いちいちうるせぇなっ!!」

マリア「とっ、とにかく!……私達が行くまで、さくらには手を出さないで。もし出したら……」

マリアは一瞬瞳を閉じる。

『モシ出シタラ?』


マリア「…私はお前を許さない」


クワッサリーと呼ばれた頃を彷彿とさせるような鋭い眼光で『桜樹』を睨んだ。

『フン…イイ眼ダ…』

七瀬「…何が貴方を変えてしまったのかは知らない…。でも貴方のしている事は間違いなく『悪』よっ!!」

『……私ガ悪ナノデハナイ…貴様ガ無知ナノダ!!!』

大神「待っていろ…。俺は必ず…さくらくんを助け出してみせるっ!!」

『…フッ…楽シミニシテイルゾ…大神一郎…。……マタ会オウ…』

そして声は途切れた。

アイリス「……アイリス怖いよ…。」

グリシーヌ「…大丈夫だ。私達仲間がついている……そうであろう?」

グリシーヌがアイリスの頭を優しく撫でる。

アイリス「うん…」

大神「七瀬くん。君は『桜樹』と知り合いのようだったけど…。よかったら話を聞かせてくれないか?」

七瀬「…もちろんです。たっぷり聞かせちゃいますよ♪」

少し堅い笑顔は、どこか曇っていた。




次回

『サクラ大戦~夢の通い路~』6:第三章「予感」
-現実世界・帝都-紅蘭「…大神はん!大神はんっ!!」必死に紅蘭が寝ている大神の身体を揺する。織姫「あぁ~もうっ!!何ふざけてるで~すか!!早く起きてください!!」パンッ!織姫が大神の頬にビンタする。かすみ「あぁっ…そんな乱暴に…」由里「でも呼吸はしてるのよねぇ…」レニ「5人が全員同じ症状なんて…。…何かがあるな…」椿「…マリアさま…」

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