『サクラ大戦~夢の通い路~』18:第七章「一人じゃない」

~夢桜~

-桜樹内部-

…何もない…『無』の中で、大神は一人立ち竦んでいた。

大神「……さくら…くん…」

大神の視線の先には、ぼんやりと光を放ち、ただただ一点を見つめている最愛の人の姿があった。

大神「………」

全く生気を感じない。それはまるで、誰にも触れられていない一体の人形のようであった。

大神「…………」

此処に来るまでは、さくらに言いたい事…伝えたい事が数えきれない程あった。…しかし変わり果てた彼女を前に、彼の口からは何も出てこない。

『…ドウダ…?感動ノ対面デアッタカナ??』

大神「……嘘だろ……さくらくん……」

『嘘デハナイ!……イヤ、夢デアッタカ…。フハ……フハハハハハ!!!』

大神「…起きてくれ……また……笑ってくれ……」

さくらの肩を何度も何度も揺する。

大神「……お願い…だから……」

全身がどんどんと脱力していく。

大神「……うわぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」

そして大神はその場に崩れ落ちた。

-さくら-

あたしは何か大切な物を無くしてしまった。でもそれが何なのかはわからない…。

……寂しいなぁ……。

さっきから誰かに呼ばれてる気がするんだけど…誰だろう…??

…一人は……嫌だよ……

『-----』

…っ!?なに…これ……

『米田「さくら!!いい加減目を覚ましやがれっ!!」』

…誰っ!?…さくらって……あたし…?

『紅蘭「目を覚ますんや!さくらはん!!」』

『花火「さくらさん…思い出してください…」』

『コクリコ「みんなで戦った事…みんなで笑った事……全部全部、本当は覚えてるはずだよっ!!」』

……懐かしい…。なんだか……温かい……。

『レニ「さくら…よく考えるんだ」』

『グリシーヌ「其方の居るべき場所はそこではない!!」』

……あたしの……居場所……?

『織姫「さ~くらさーん!!今のままでいいでーすかっ!?」』

『ロベリア「…いいわけないだろ。さくら…お前は今どうしたいんだ?」』

…あたしは……あたしは……。

……思い出したい……。

『すみれ「まったく…。このトッ…………………プスタァの事を忘れたとは言わせませんわよっ!!」』

『カンナ「さくら…。何があっても、あたい達は仲間だ…!!」』

『マリア「私達はあなたを待っているわ…。頑張って……頑張ってさくら!!」』

…仲間……

『アイリス「さくら♪…アイリス…待ってるね。またみんなで一緒に遊ぼうねっ♪」』

『かえで「さくら…思い出しなさい。帝国華撃団、巴里華撃団……あなたの、かけがえのない仲間を…。思い出しなさい、さくらっ!!」』

……みんな……。

『エリカ「目を覚ましてくださいっ!!…大神さんには……大神さんには、あなたが必要なんですっ!!」』

…大…神……さん……??

『「…さくらくんっ!!」』

…っ!!

…もう少し…もう少しなの……

思い出したい…

…思い出したいっ!!

次回

『サクラ大戦~夢の通い路~』19:第七章「必要な人」
-桜樹内部-大神「…俺は……どうすればいいんだ……」暗黒の中で一人佇み、次第に自分を見失い始めていた。『…フフフ…ソウダ…。貴様モヤガテソノ娘ト同類ニナリ、桜ノ生ケ贄ト化スノダッ!!』大神「…もう…だめだ……」『-----』大神「…みんな…ごめん……。……もう……俺……」大神は俯き瞳を閉じた。

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