『サクラ大戦~夢の通い路~』16:第七章「逢いたい」



カンナ達と別れた大神・七瀬・エリカ・アイリスが、上野公園最深部…『桜樹』に辿り着いたところへ、物語は少し遡る。


『…ククク……来タカ…。』

暗闇の中、不気味に輝く桜の樹は、目の前に立ち尽くす大神達の頭に語り掛けた。

大神「桜樹!!…さくらくんは何処だっ!?」

『フッ…物覚エノ悪イ…。ワタシの《中》ダト言ッタダロウ??』

エリカ「《中にいる》ってわかったって、どうやって中に入るかがわからないと意味無いじゃないですかっ!!アホちん!!」

『アッ…アホチン!?』

アイリス「そーだそーだ!!動けないくせにっ!!」

『動ケナイダト?…フハハッ!馬鹿ヲ言ウナ!《動ケナイ》ノデハナイ、《動ク必要ガナイ》ノダ!!』

エリカ「結局動けないじゃないですかっ!!」

『ウッ…キッ、貴様ハ黙ッテイロ!!……ソノ気ニナレバ、今スグニデモコノ真宮寺サクラヲ殺ス事ガデキルノダゾ??』

大神「くっ……卑怯者め…!!」


すると、それまで黙っていた七瀬がそっと口を開く。

七瀬「……。…どうして……どうしてなのっ!?どうしてあんなに優しかった……貴方が……」


『………』


七瀬「…私は……貴方を信じてる…。もうこんな事やめて……お願い……」

七瀬は震える指で、優しくそっと桜樹に触れた。

『…ッ!!ワタシニサワルナッ!!!!』

---っ!?!?

七瀬「…っ!?」

大神「七瀬くんっ!!!!!」

エリカ「あ…あっ……あぁ……!!」

アイリス「…いや……いやぁーーーーー!!!!!」


桜樹から直視できぬ程の輝きが放たれた直後、皆は自分の眼を疑った。光がそっと触れていた七瀬の右腕を切断し、肩口から大量の血液が流れ出ていたのだ。


七瀬「……っ!?きゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

大神「七瀬くんっ!!エリカくん、アイリス、すぐに治療を!!右腕の結合…できるかい!?」

エリカ「できなくてもやります!!……神よ…奇跡の光を…今ここに!!エヴァンジル!!!!」

アイリス「…ア…アイリス達が…絶対に…絶対に治してあげるから!…お願い……助けてジャンポール!!イリス・プロディジュー・ジャンポール!!!」


純白の光が七瀬の身体を包み込む。

大神「………貴様ぁーーー!!!!!」

大神が霊剣荒鷹を構え、一直線に桜樹へ向かい走り出す。

『オット待テ!…ワタシヲ切ルトイウ事ハ、真宮寺サクラヲモ切ル事ヲ意味スルトイウコトヲ忘レルナヨ…?』

大神の動きがピタッと止まる。

大神「くっ…!!くそっ…くそっ!!!」


『フフフ……。ナァ大神一郎…。…真宮寺サクラニ…逢イタイカ…?』

大神「…なんだとっ!?」

『…逢イタイカ…逢イタイダロウ…?貴様ノ最愛ノ人ダモンナァ…?』

大神「…何が言いたい!?」

『……逢ワセテヤルヨッ!!最愛ノ者ノ…記憶ヲ無クシ、変ワリ果テタ姿ニナッ!!!』


すると突然、物凄い勢いで大神の身体が桜樹の方へと吸い寄せられる。

七瀬「…はっ!…いけない……あのまま…大神さんを……行かせては……」

大神「ぐっ…!…力が……入らない……!!」


『…貴様モ桜ノ生ケ贄トナレッ!!!』

大神「ぐぁぁあぁぁぁ!!!」

そして大神は桜樹に吸い込まれていく。


アイリス「お兄ちゃんっ!!」
エリカ「大神さんっ!!」

大神「…エリカくんっ!アイリスっ!…俺は絶対にさくらくんを連れて戻って来る!!…七瀬くんを頼んだぞ!!」

大神の姿は消えた。

七瀬「そ…んな…。もう……ダメよ……」

七瀬の顔がどんどん曇っていく。

エリカ「……大丈夫です。大神さんは、『絶対に戻って来る』って言いました。…大神さんは、絶対に嘘はつきません…」

七瀬「でも……」

アイリス「…お兄ちゃんはね、お風呂は覗くけど…約束を破った事は一度もないんだよ♪…アイリスも信じてる」

七瀬「……そうですか…。……大神さんは……幸せ者ですね」

俯いていた顔を上げ、優しく眼を細めた。



次回

『サクラ大戦~夢の通い路~』17:第七章「今なら…」
-現実世界・作戦指令室-織姫「ふぅ~、やっと終わったで~す…」戦いを終えた6人は、米田達が待つ作戦指令室へと無事帰還した。かえで「みんな、お疲れ様…本当によく頑張ったわね」紅蘭「いや、今回はホンマ…すみれはんのおかげや!!」花火「ええ…すみれさんがいらしたから、私達は諦めませんでした……ぽっ…」すみれ「…私の力ではないですわ…。…あれは……」

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