『サクラ大戦~夢の通い路~』2:第一章「夢の始まり」



-日本・帝都-


チュンチュンチュン…


大神「んっ………はぁ~~っ!よしっ、今日も一日頑張るか!」

ベッドから起き上がり、大きく伸びをして気を引き締める。

大神「…これがみんなで勝ち取った幸せだ」

大久保長安との死闘から早や一年。
朝日のさす小窓から外を覗き込み、街の平和と希望を噛みしめる。
これが大神の日課だった。

大神「もう春なんだな…綺麗な桜だ」

小窓の脇から覗く桜の花びらと柔らかな風に、季節の訪れを感じていた。

コンコンコン

紅蘭「大神はん!朝ゴハンやで!!」

大神「あぁ!今行くよ!……いつもはさくらくんが呼びに来るのに、どうしたんだろう?」

帝劇は平和な日々を過ごしていた。



-食堂-


カンナ「おう隊長!おはよーさん」

大神「みんな、待たせちゃってごめんな」

アイリス「気にしないでお兄ちゃん♪アイリスお腹ペコペコだよぅ…はやく食べよ♪」

大神は微笑むと、軽く辺りを見回した。

大神「あれ…さくらくんは?」

織姫「まだ寝てま~す。何度呼んでも返事がなかったで~すから」

マリア「ここのところ公演が忙しかったから…。寝かせてあげましょう?」

カンナ「『寝る子は育つ』って言うしな。たまにはいいだろ」

大神「あぁ…そうだな。」

アイリス「ね~早く食べようよ!!アイリスもう我慢できないよ!!」

大神「あっごめんごめん!それじゃ食べようか!」

皆「いただきまーす!!」


-数時間後・隊長室-


コンコン

マリア「隊長、ちょっとお話が…。」

大神「マリアかい?今開けるよ!」

ガチャ

大神「ん?かえでさんとカンナまで。どうしたんだい?」

カンナ「あぁ…。…朝メシからもう結構時間がたつだろ?さすがに少しさくらが気になってな」

かえで「ちょっと様子を見に行くんだけど…大神くんも一緒に来てくれないかしら?」

大神「そうですね。俺も気になっていました。行きましょう!」


-さくらの部屋前-


コンコン

大神「さくらくん!起きているのかい?」

中からは反応が無い。

マリア「おかしいわね…」

ドンドンドンッ!!

カンナ「さくらっ!いるのか!?いるんだったら返事しろっ!!」

さっきよりも強くドアを叩くが、やはり反応は無い。

かえで「心配だわ…。開けてみましょう」

ガチャ

かえでは動揺を隠すように息を整えながら、持っていた合鍵で部屋を開けた。

マリア「っ!?さくらっ!!」

部屋の奥にある桜色のベッド。
そこにはまるで何事もなかったかのように横になるさくらの姿があった。

大神「さくらくん!」

大神はさくらの口元に耳を寄せる。

大神「……。息はある…ただ眠っているだけだ」

カンナ「なんだよ…驚かせやがって…。ほらさくら!もう夕方だぞ、起きろ!」

カンナがさくらの体を揺する…が、目覚める気配はない。

マリア「……やっぱり何かおかしいわね…。隊長、一応医務室に連れて行きましょう」

大神「そうだな…。いいですよね、かえでさん」

かえで「えぇもちろんよ。私も色々と調べてみるわ」

大神「……さくらくん…」

大神達はそれ以上言葉を交わさなかった。


-数時間後・医務室-


大神「かえでさん、何かわかりましたか?」

かえで「いえ…ハッキリ言ってお手上げだわ…。どの医学書を読んでも、こんな症状は載っていないし…」

大神「…そうですか…」

かえで「……。…こんな時こそ…大神くんが皆を支えてあげて…。大神くんの気持ちは分かるけど……」

大神「…その通りですね。はい!わかりました!」

かえで「アタシはもう少し調べてみるわ。……頑張ってね、大神くん…」

大神は軽く微笑むと部屋を後にした。


-夜・隊長室-


彼は電気も付けず、ただ机に突っ伏していた。

大神「……一体何があっただ…さくらくん…」

もう2時間はこうしているだろう。

大神「さくらくん…俺は……俺…は……」

流石に耐え切れず、眠りについた。




「…力を…貸して下さい…」

大神「(君は…誰だ?)」

「それはこちらの世界でお話しします…。とにかく来て下さい…!」

大神「(……。…?…桜の花びらが……)」

「…あなた達が必要なんです…!!私と一緒に来て下さい…!!」

大神「(俺達が…?)」

「お願いします!!真宮寺さくらさんもこちらにいます…。彼女を助けなければ……。……力を貸して下さい!!」

大神「(さくらくんもいるのか!?……。…わかった。連れて行ってくれ!)」

「有難う御座います!!では…こちらへ…。」

大神は光に吸い込まれるように、一歩一歩と進んでいった。




人は皆、夢を見る。

夢の中で展開されていく筋道、即ち夢路。

桜の見る夢が…今…始まる…。




次回

『サクラ大戦~夢の通い路~』3:第二章「もう一つの世界…夢桜」
大神「…ん…。…こ…こは……?」大神はゆっくり目蓋を開く。そこには見慣れた天井が広がっていた。大神「ここは…。俺は夢でも見ていたのか…。………これはっ?!なんでこんな所に!?」枕元に見覚えのある刀が添えてある。……それは正しく、真宮寺さくらの愛刀…『霊剣荒鷹』であった。

スポンサーリンク

シェアする

     
  •  
  •